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君の妖に願いを  作者: 雨y
青一章 1学期
11/23

祈る事しかできない

狙いは翔だった、つまりは妖魔の囮役の可能性が高い。

急いで翔に湊が電話するが湊はその電話に意味がないことを知っている。

なぜなら翔は、


『流石湊だよ。安心して、エレベーターは美幸に頼んだんだ。30分後には動くらしいよ』


囮役を良しとするから。

しかし、囮役と言っても初めてで、しかもまだ15歳の子供なため、その分護衛は多めに手配されるだろう。

しかし問題は囮役が必要なまでに妖魔が攻めてきているという事を翔は予想をしていたであろうに、湊に言わなかったと言う事だ。


「言わなかった理由はわかる。だが、」

『死ぬわけじゃないよ』

「お前の体の事はよく分かってるしお前の考えもよくわかる!もう6年になるんだからな」

『ボクだって考えてここにいる。湊とNo.03を合わせちゃいけないって、そう思い出したから』

「No.03ってなんだよ」

『ごめんそろそろ切る』


まるで発作の時のようにエレベーター中の温度が下がる。

理性は保っているが、今にでも千切れそうな事はそこにいる女子2人は気づいた。

もう冬服ではなく中間服の制服は寒さなど防いではくれない。


「湊!気持ちはわかるが抑えろ!翔の言った通り死ぬわけではない!」

「そうですよ!まだ下級退治もしてない学生です!死なせないと必死で守るはずです!」

「分かってる、けどボクは」


もう、大切な家族を何も出来ずに守れないのは失うのは嫌だ。


そう強く思った瞬間、湊は気を失った。

エレベーターには強い睡眠ガスが仕込んであり、湊が倒れると同時に2人も意識を飛ばした。




「なんで俺がNo.3を…今のうちに攫うは出来ないし、安全なとこってどこだよ」

「堀山先生、この2人もいります?」

「保険だ保険。俺たちは警察でなぜかエレベーターが止まって、中に人がいたから助けたついでに安全なところに運んだっていうのが必要だろうが」

「見つかった時用っすね!」


大代 めぐる、フリーズ研究所所属の護衛役。

担当、ゼロナンバー。

堀山の助手であり、護衛。

狙った相手は100%狙い撃てるほどの銃の使い。


「にしてもデカくなったもんだ。重たい」

「6年も経ってればそりゃあそうっすよ」

「学校の地下シェルターにでもぶち込むか?」

「やめときましょ。ゼロスリーなら簡単に入れますよ」

「もうこいつ使ってゼロスリー回収したいんだが」

「No.3が近くにいる時に回収は無理って分かってるでしょ先生なら」


堀山はゼロナンバーにしか興味はない。

ゼロナンバーは普通の実験体と違い特別扱いの実験体なのだ。

ゼロのつかない番号はほぼゼロナンバーの欠片という存在でしかない。

今の研究所にとっては逆に邪魔な存在なのだ。

だから高値に売るためにフリーズ研究所の専門ではない実験をする。

そこでミシュレルットの瞳が生まれた。




湊が起きたとき、そこは学校のいつも訓練をしている教室だった。

近くには赤崎も山谷もおり、ほっとしたが、すぐに翔のことを思い出す。

今も退治中なら電話に出るはずもない。

そう思いスマホを取り出して鳴らすが出ない。


「くそっ!」


強く床を叩くが、そこにあるのは手の痛みだけ。

時間を見ると40分は経っている。

そして自分はなぜここにいるのか、それは簡単で翔の指示だと湊は考えた。

まだ戦いが延長されている、つまりはエレベーターもいつも通りに動くため、どっかの教師や退治師にでも任せたのだろうと。

案の定、訓練室は開かない。


「起きろ2人とも。なんとかしてドアを開けるぞ」


そう呼んでも2人は一向に起きない。

当然と言えば当然で、湊は研究所お手製の麻酔に耐性があるが、2人にはない。

だが、湊は研究員が自分たちをここに運んだとは知らず、翔の指示だと思い込む。

鍵はこちらから閉める形だが、機械で出来たもので、時に湊の発作のように暴走する事があるため、職員室でのロックが可能な形になっている。

開ける方法など破壊以外にないが、金属でできたドアを開ける事など金系妖気使いでなければ不可能に近い。

だから湊は、ここで翔が帰ってくるのを祈るしかないというわけだ。

いくら足掻いたとしても、2人が起きたとしても、学生の3人には絶対にできない。


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