00 プロローグ
初投稿です!
「はぁ……綺麗だなぁ」
緑の木々が生い茂る森の中、一人の少女が目を輝かせた。
彼女の視線の先にいるのは一羽の小鳥。
木漏れ日に濡れたその身体は、磨き上げられた宝石のように煌めいていた。
恐らくこの場に100人いたら100人が綺麗だと言う輝きだろう。
「すっごく綺麗……」
当然、少女も例外ではなかった。
なにせ都では「宝石鳥」という名称で親しまれ、その美しさから高値で取引されることもある鳥である。
年頃の女の子が見惚れるのは至極当然と言えた。
「特にあの……」
とうとう感極まったのか、彼女の目の輝きがより一層強まる。
そして宝石鳥の顔より下、人で言うと胸元あたりをじっと見つめると、うっとりとした表情でつぶやくのだった。
「胸骨の突起、出来ることなら一日中撫でまわしたいなぁ」
一体その感想はどこから来たのだろうか。
少なくとも、あの鳥を見た最初の感想が「骨」なのは世界中を探しても彼女ぐらいであろう。
それほどまでにズレた......突飛な感想だった。
しかし、この少女にとってはそれが平常運転であった。
彼女には透視能力がある。
そして、宝石のような美しさを持つ羽毛と質素な色をした無機質な骨を見比べたうえで、骨の方が美しいと感じている。
この風変わりな少女の名前はドクロ。
骨に関連した名前の通り、三度の飯よりも骨が好きな女の子であった。