表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

毒持ちの強敵と戦うというクエスト

 配信も終わった午後三時。ここから午後九時に配信を始めるまでは自由時間だ。作業のな。最初の街からアクセスできる最難関地点に向かおうと思う。デスペナルティ覚悟の特攻戦闘だ。


 システムウィンドウを開いてマップを見る。一度街に戻って、それから東口から出てそこにあるサイトの森を通ってそこにある洞窟、ネインの洞窟に行くのが一番難易度が高いか?


 推奨レベルは9~11。相当な難易度だ。一度そこに向かい魔物と戦ってみてダメだったら難易度を下げよう。


 手慣れた動作で街の中心までワープし、そのまますぐに東へと向かう。街はさらに増えたプレイヤーたちがこぞって北の方へ向かっていた。これは最初の草原での狩りは難しいだろうな。


 人が多いときの渋谷にも似た惨状に苦笑いをしつつ、歩き続ける。配信をしていた時は目に入らなかったが、この街にはたくさんのNPCの店がある。金がたまったら何が売られているのか見に行ってみよう。今は先ほどの狩りでたまった素材と1000Gしかないからな。これでは何も買えまい。


 このゲームでは魔物を倒すと素材をドロップする。それを自分で使う事も出来るし、冒険者ギルドで換金も可能だ。よくある魔物を倒すとインベントリにお金が! という流れはないらしい。そっちの方がリアリティがあって俺は好きだけど、面倒だという人も多い。


 まぁどんなゲームでも好みは別れるだろうしそれは仕方ない。さて、東口をワープポイントに登録して、すぐにそこから出てサイトの森に向かう。この森の推奨レベルは5~7。十分に高レベルではあるが、今の俺のレベルは5だしな。もっと上の奴らと戦えるはずだ。


 サイトの森からネインの洞窟に向かっていると、どこからか矢が飛んできた。射線が少しずれていたようで当たりはしなかったが。


 矢が飛んできた方角を見ると、そこには弓を持ったゴブリンが居た。ゴブリンアーチャーってやつだな。森の中で弓を扱うなんてなかなか器用な事をするものだ。


 とりあえず倒しておくことにしようか。


 俺は弓の射線上に入らないように木の影に隠れながら、ゴブリンアーチャーとの距離を詰める。


 AGIが高いとやはり便利だな。すぐにゴブリンアーチャーに接近できた。ゴブリンアーチャーはその見た目通り近接戦闘は強くない。俺はダブルスラッシュを使ってゴブリンアーチャーに攻撃する。


 矢の装填が間に合わなかったゴブリンアーチャーはそのまま消滅する。弓という武器は相手にすると厄介ではあるが適切に対処できればなんとかなるな。


さぁ、気を取り直してネインの洞窟に向かおうか。この調子で後二度ほどのエンカウントをこなしていけば多分洞窟にたどりつくだろう。


 そういうわけで現れたゴブリンソードマンとゴブリンソーサラーをしっかり討伐してネインの洞窟にたどりついた。ゴブリンソーサラーと戦った時、あいつは水魔法を使ってきたが、もし火魔法を使ってきたらこの森はどうなるんだろうなと一瞬考えた。


 まぁ森林火災が発生しないようになんらかのシステムはあるのだろう。そう信じたい。


 洞窟の中は真っ暗で、先が全く見えなかった。これどうやって探索しようか。……ゴリ押しにしようか。


 配信外で来てよかったな。画面が永遠に真っ暗な配信なんてつまらないからな。


 さぁ、攻略を始めようか。


 その暗闇の洞窟に歩を進める。中は本当に暗く、一切の光が存在していなかった。攻略に特殊なアイテムが必要な感じかな? それとも光系統の魔法があれば攻略できる感じか?


 とは言えまぁ、今回俺はゴリ押していくぞ。真っ暗と言えども多少は夜目が効く。洞窟の形くらいはわかるしな。


 この程度わかれば何とかなだろう。


「ケシャー!!」


 俺を威嚇する声か。真っ暗な中に俺の前に輪郭だけの何かが見える。これは、蜘蛛か? 全く見えないから魔物の種類はわからないが、とりあえず少しでも見えたのならここからは気配だよりで戦っていく感じだな。だんだんとこの暗闇に目が慣れてきたし、いけるはずだ。


 蜘蛛のような魔物が前足を上げる。何をしてるんだ? 俺と蜘蛛の間には少し距離が開いているが。


 次の瞬間何かが飛んでくるのが見えた気がしたので、即座に横によける。


 何を飛ばしやがったあの蜘蛛?


 回避した先にすぐさま攻撃を仕掛けようとしたのか蜘蛛がこちらに向かってくる音がした。五感の一つが使えない時、他の感覚が研ぎ澄まされるとはよく言ったもので、蜘蛛の足音が良く聞こえた。


 俺は蜘蛛がとびかかってくる事を予想し剣を振りぬく。発動するのはスラッシュだ。


 ちなみに俺はレベルが5になった分のステータスポイントを全てSTRとAGIに振った。そのためかはわからないが、蜘蛛は一撃で大きなダメージを負い、のたうちまわった。


 大きな音を立てている今がチャンスだと、そこに続けて連続スラッシュを叩きこむ。高STRの甲斐あってか、連続スラッシュを二回とも直撃させて何とか蜘蛛を倒すことができた。魔物を倒し、ポリゴンとなった時特有の音が聞こえる。


 普段はあまり気にしない程度の音だが、今はかなり大きな音に聞こえた。


 すると、そのポリゴンが消滅しきったその時、急に視界が明るくなったように見えた。……スキルを手に入れたか?


◆◆◆

ファクター

剣士:Lv.6


ステータス

HP 80/80

MP 40/40

STR 40 [+] <+10>

DEF 15 [+] <+10>

AGI 40 [+]

INT 10 [+]

VIT 15 [+]

DEX 10 [+]

ステータスポイント:5


スキル

<剣術Lv.2><暗視Lv.1>

◆◆◆


どうやら暗視というスキルが手に入ったようだ。このスキルの入手条件……多分だが、光源を使わずに暗闇で魔物を倒すとかそんな感じじゃないだろうか。


 ありがたいスキルを手に入れたものだ。これでこのネインの洞窟でのレベル上げの効率が上がる。


 少し進んだところで、先ほどと同じと思われる蜘蛛の魔物と遭遇した。なるほど、先ほどはわからなかったがかなりえげつないカラーリングをしてるのな。紫色と黒の縞模様は流石に気色悪い。


 もしかして飛ばしてきたのって毒、か? このカラーリングだったら毒を使う魔物でもおかしくはない。後でシステムウィンドウの魔物図鑑で確認しておこう。


 倒した魔物の名前、生体を知ることができる図鑑だ。βテストの時はこれを完全に埋めるのが本リリースの後の目標だと言っている人もいた。


 D2には様々な楽しみかたがあって素晴らしいなと思っていると、目の前の蜘蛛が前足を上げる。


 予備動作か、さぁ、一体何が飛んでくるんだ? 蜘蛛はその前足を振ると、毒々しい紫色の液体を飛ばしてきた。


 簡単に躱すことはできるが、あれ、絶対毒じゃん。そしてまた先ほどと同じ流れで向かってきた蜘蛛を剣で倒していく。


 距離間が同じであれば全く同じパターンで戦闘してくるタイプの魔物か! これは狩りが楽になりそうだぞ?


 さて、どこまでレベルが上がるかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ