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チュートリアルクエスト

 ジャンル別12位まで入ることができました~! これからもよろしくお願いします!

「ここが冒険者ギルドか」


 かなり大きな目立つ建物だ。剣と杖が交差したマークが看板にされている。大きな扉を押し開けて中に入ると、中世ヨーロッパ設定のアニメでよく見る感じの内装がなされていた。


「クエストのボードとかいつ見てもすげぇな」


 掲示板のようなものにボロボロの紙切れが張られているように見えて、それ一枚一枚が丁寧なクエストの案内になっているのだ。


「最初はチュートリアルミッションしか選べないんだよなぁ」


 適当な紙をはがして受付に持っていく。NPCの受付嬢が対応してくれるはずだ。


「こちらのクエストを受注したいのですが」


「はい、ゴブリンの討伐ですね」


 最初は掲示板のクエストが見られるわけではなく、こうして受付に持っていかなければクエスト内容がわからない。どうやら俺が引いたチュートリアルクエストの相手はゴブリンらしい。ちなみに他のチュートリアルに出てくる魔物には、ゴブリン、スライム、コボルトが居る。


「では冒険者証をお願いします」


「はい」


 ポケットの中に入ってる冒険者証を出す。最初から入ってるんだよな。前もそうだったけど。設定的にはこの街にきて冒険者になったばかりの新人という設定だったはずだし間違っていることはないのだが。


「かしこまりました! ではお気をつけて!」


 受付嬢さんにそういう言って送り出してもらうと、俺はドアを開けて外にでる。


「NPC、マジでかわいいな」


 配信中ということで、見てる皆に向かってそういう。本当に受付嬢はかわいかった。さすが最も新しいVRMMORPGだ。



コメント

『いやー、マジでかわいい』



 視聴者もそう思っているようだ。そうだよな。金髪もめっちゃ綺麗だったし、それに冒険者ギルドの制服がまずフリルとか多めでかわいいんだよな。


「まぁ、NPCの話は置いておいて、クエストをクリアしに行くか」


 チュートリアルクエストはささっと終えたいからな。競合相手も多いし。ウィンドウからクエストの詳細を確認できるので確認していくと、どうやらチュートリアルクエストはセジュンの草原という街の北にある草原で行われるらしい。


「セジュンの草原。推奨レベルは1~3。今からそこに向かうぞ!」


 マップにしたがい街の北側の入り口を目指す。しかし、この街、そこそこ広いな。中央からでも北口まで結構な距離があるぞ。


 ただ歩いているだけだと視聴者も退屈だろう。同時接続数も30人近くに増えてくれたことだし、何かトークぐらいしないとな。


「今の退屈な間に話しておくけど、俺の目標はこのD2の世界で一番強く、有名になることだ。結構真面目にやってくから、そこんところよろしくな」


 ネタに走ることは無いという意思表明だ。俺は真面目にゲームを楽しみたいからな。ネタに走るのもゲームの醍醐味ではあるが、俺はここで最強を目指すという目標がある。主に知名度の為に。



コメント

『了解了解』

『公式に認知される事を期待してる』



 コメントもいい意見をくれているようで何よりだ。その後は、このゲームの魔物はどんな感じなのかについての議論をした。


 魔物はしっかりしたグラフィックなのか、デフォルメされているのか等。これは大事な要素だよなぁ。まぁ俺は答えを知っているわけだけど。


 そんな話をしているうちについに北口にたどりついた。確か街の入り口各所もワープポイントに設定できたはずだ。


「よし、ここもワープポイント設定できたから狩りが終わったらすぐに戻ってこれるな」



コメント

『冒険者ギルドに戻るなら中央広場でいいけどなw』



「確かに……」


 本当にその通りだった。効率を求めなきゃいけない俺としては気づかなければいけなかったな。まぁ登録してマイナスがあるわけではない。どんどんワープポイントに登録して行こう。


「おう、気を取り直して、草原に向かうか。正直いってレベル上げと戦闘はめっちゃ楽しみなんだよな」


 βテストの時はレベル40が上限だったけど俺は2000人いるβテストワールドで4番目にレベル40に到達した。それほどまでにレベル上げは好きだ。もちろん闘いも。


「ここがセジュンの草原かぁ。……マジで素晴らしい草原だな」


 水平線の先まで雑草と道しか見えないただの草原だが、まぁ最初はそんなものだ。というかこんな感じじゃないとステータス的に死ぬ。装備のサポートも初期装備分だけだからな。


「とりあえずゴブリンを一匹探し出してぶちのめせばいいんだな」



コメント

『おお~怖いねぇ……』



「いやモノマネかい。とりあえずどの辺に居るかだな。少し先に進んでみるか」


 世界が作りこまれていて完全オープンワールドではあるが、せっかく道があるなら俺はそこを進んでいくぞ。ということでまっすぐ他の街に向けて引かれた道を通りながら俺はゴブリンを探す。


「しかし次の街は東西南北どこから行けばいいんだろうかね。まだ推奨レベルが追い付いてないからしばらくはいけないんだけどな」


 街と街の移動はそれこそがダンジョンの攻略のようなもの。街と街をつなぐ道でも普通に強力な魔物が出るからな。



コメント

『そうだな、いざ別の街ってなった時にコメ欄にアンケート取ればいいんじゃないか?』



「いいなそれ、採用」


 昔から一人でゲームをやることが多かったが、こんな風に話しながらゲームをするのも楽しいものだな。


 そんなこんなで街を歩いていると、ようやく1体のゴブリンを発見した。そのゴブリンは醜悪な様相をしていて、一切のデフォルメは見られない。さすがリアリティも高いD2様だな。


 ゴブリンに近付くと戦闘にはいる。そしてこれはチュートリアルミッションだから……あれが来るぞ。


 草原を吹くさわやかな風が凪ぎ、そしてゴブリン、雑草等が一切動かなかくなる。これはスキルの使い方を教えてくれる初心者講座だ。


 俺の体の周りに小さな光が飛び交う。それはゴブリンと俺の間に軌跡を作り、そこをなぞって剣を振るように指示をする。



コメント

『ナニコレ、俺はあのタロットの力を身に付けたのか?』



「残念、お前じゃないぞ。俺でもないけどな。チュートリアルのシステムだろう」


 混乱しているコメ欄に軽く説明して俺は光の指示に従い剣を振るう。その瞬間、スキルが発動する感覚がする。チュートリアルの強制発動でスキル発動の感覚に慣れてもらうもの。これは剣術スキルレベル1で使える<スラッシュ>だな。


 確かβテストの時は単発の強力な斬撃で倍率はSTR×150%だったはずだ。細かな仕様変更がなければそのままだろうな。後でウィンドウの機能の一部、スキルペディアで確認しておこう。


 その斬撃はゴブリンを一撃で両断する。……こんなあっさり倒せたっけな? 確か倒しきれなくてここからはゴブリンが普通に動いてくるサポート付きの戦闘になった気がするんだが……。


 そうか、俺のステータスがβテストの時よりも攻撃寄りだからか。それは一撃でやり切れるわな。


 しかしいつ見ても……。


「すげぇなぁこのゲーム」


 ゴブリンはポリゴンとなり消滅した。リアリティとゲーム性の使い分けがしっかりしている。本当にすごいと思う。



コメント

『一撃かよ。やっぱ脳筋は違うねぇ』



「おい! 脳筋って決めつけるなよ」


 とりあえずまぁ、ゴブリンは討伐した。これであとは冒険者ギルドに行ってインベントリに入っているゴブリンのドロップ品を納品するだけだ。


 ちゃんと討伐したらインベントリにアイテム入れてくれるのマジで優しいよな。


 さて、ウィンドウを開いて、街の真ん中の噴水広場にワープするとしますか。

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