最終話 そして、由利香
神さまが参加してくれた、大騒ぎで終わったディナーパーティ。
あのあと収集ついたのかしら。
片付けもさせてもらえずに帰らされちゃったけど。
ほんとうに、楽しかった。
鞍馬くんの子どものような笑い顔や。
頭をなでられても怒らない冬里や。
夏樹は、まあいつものままかな(笑)
なんてことはないんだけど、いつもそこにある。
なんてことはないんだけど、いつもそこにいる。
ふとしたときに、思う。
椿といるときとは、少し違う安定感。
彼らから流れてくる、情ではない確かな愛。
あとどのくらい同じ場所で過ごせるのかな。
本当なら、もっと「ありがとう」を伝えなきゃならないのにね。
けど、天邪鬼な私のことは皆さんよくご存じでしょう。
今日も椿と私はふたりして遅くまで仕事して、でも、帰宅時間は少しずれている。こういうときのお約束、連絡しながら先についた方が駅で待っていること。
とっぷりと日の暮れた改札に、椿の姿を見つけた。
私に気づいて笑顔で手を上げる。
その背後に、CLOSEのプレートがかかるドアと、外へ漏れる暖かい窓の灯りが重なる。
唐突に、想う。
そうだ
『はるぶすと』へ
行こう
了
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
最後の章は、なんというか、すべてのエピローグみたいなものですかね(笑)
皆様にも、そうだ、○○へ行こう、と想えるような場所はありますでしょうか。
もしなければ、どうぞ遠慮なく『はるぶすと』へお越し下さい。お目にかかれる日を従業員一同、楽しみにしております。
色んな事がありますが、『はるぶすと』は本日も通常通り営業しております。