表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/117

第百三話「スクイ・ケンセイ」

 別の世界にて。


 天使と呼ばれる唯一の生き残りが、笑みを浮かべながら人間の世界を観察する。


「神々の負の遺産」


 人間界に流れ出した負の感情、その塊。

 魔王。


「それを人の身で破壊する」


 聖剣の浄化なしにそれを起こしてしまうイレギュラー。

 それにより起こるのは。


 行き場を失った神々の負の感情の噴出であり。

 そこに器があるのであれば。


 そこに行き着く。


 そして得られる。

 得られてしまうSランク魔法。


 魔王。


「神々は、永遠に生きることに絶望し、死を選んだ」


 しかしその中で、同時にこういった感情も湧き上がる。


「自分たちが産み出し、生を良しとし、生き続ける人類をそのままに、自分たちだけ死の安寧を得る」


 その無責任。

 かといって生きることを良しとする人間たちを道連れにもできない。


「考えた神々は、この世界にない死を信奉する教義を世界に持ち込んだ」


 この世にない教義。

 邪教を。


 死の神が選んだ青年は。

 その教義を持っていた。


「人間が全員、死を信奉する必要はない。ただ、死を教えておかなければならなかった」


 死を救いとする考えもあると。

 永遠に存続することが必ずしも正解ではないと。


 その宣教師の召喚。

 つまり。


 邪教徒召喚。


「もっとも彼は死を信仰すると言いながら、神々の思ったように死を撒き散らし、無作為に狂気を蔓延させる存在ではなかったが」


 天使の想定した、スクイの末路。

 その1つ。


「魔王、神々の負の感情の濁流は、彼の中から根こそぎの理性を奪う。もはや人でなく、狂気そのものと成り果てさせる」


 そう天使が状況を見守る中。

 魔王城が破壊される。


 噴出した大量の泥は、魔王城を突き破り、留まることなく周りを穢していく。


「魔王封印用に作られた神々の遺品すら止めることはできないか」


 その泥の中。

 宙に浮くようにある、1つの人影。


「それでいい」


 いくつかあったスクイの末路。

 その1つ。


「死を撒き散らし、その存在を伝える」


 それが、スクイが異世界に呼ばれた理由であり。

 神々の思惑。


「さあ、誕生しろ」


 人を殺す泥の中。

 スクイはむしろ、意識というものが明瞭になっていることに気づく。


「何故」


 今までの複雑な思考が消え失せる。

 そして、単純な答えのみが残った。


「死は絶対。完全な救いです」


 善人も悪人も。

 子どもも大人も、死の前には意味など持たない。


 全てが平等。


 そうであるならば。


「この世界の人間を、皆殺しとすることで」


 世界に、死を与える。

 そして、世界を救う。


「この現世(ゲンセイ)から、濁りを掬いましょう」


 魔王スクイ・ケンセイが誕生した。




これにて「第4章 異世界戦場編」完結です。

ここまでお読みいただいた方ありがとうございました。

「スクイの名前の由来」「タイトル回収」「召喚理由」回収でき一安心致しました。


モチベーションにつながりますので、よければこれを機にブックマーク、評価、感想、レビュー等、何卒宜しくお願い致します。


最終章は4月後半より更新致します。

最終話は5月3日更新、そこで完結予定となっております。

何卒最後までお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ