表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/24

三匹目

魔力を放出したことで身体の力が抜け、立っていられずルークへともたれかかる。

「エリー、よく頑張ったね」

ルークは私を抱えて、ソファへと座らせてくれた。

「皆は?」

言うが早いか、すごい勢いで皆が集まった。


「エリー無事?」

エルがあちこち確認するように触る。

「ちょっと、いくら兄妹でもそれはセクハラだと思うよ」

サムがエルを諫める。


「大儀だったぞ」

「あはは、何それ。リアム殿下偉そう」

「うるさい!どう言えばいいのかわからなかったんだ」

ライリーがリアム殿下にはたかれた。


「ふふ、あははは」

皆がいつも通り過ぎて、なんだか気が抜けておかしくなってしまった。

良かった、何も失うことなく終わってくれた。皆が変わらないでいてくれたことで安堵する。


すると、小さな声で

「エレノア、ごめんね。ありがとう」

と、あの悪魔の声がした。

声の方を見ると、真っ黒い小さなカラスがいた。


「もしかして?」

「うん。人の形が保てなくて、こんなになっちゃった。でも、命は助かったみたい。エレノアのおかげだよ、ありがとう」

「可愛い。とても艶やかな羽ね。触ってもいい?」

そう聞くと、カラスはちょこちょこと寄って来て、私の手にすり寄ってくれた。


「うわあ、なんて気持ちいいの。まるでベルベットのよう」

カラスは嬉しそうに私にされるがままになっている。


「あなたはこれからどうするの?」

羽を撫でながら聞く。

「どうするも何も、このままカラスの魔物として生きていくだけだよ」

「大丈夫なの?」

「わかんない。でもまあしょうがないし、命があっただけでラッキーだったし」


「じゃあ、うちに来る?」

「え?」

「うちで良かったら一緒に来ない?」

「……いいの?」

「勿論。一緒に帰ろ」


「……なら、ボクに名前をつけてくれる?」

「名前?」

「そう、名前」

それは契約するという事じゃないだろうか。

「私でいいの?」

「うん、エレノアがいいんだ」


「そっか。そしたらね、うーんと……」

少し考える。


「ネロ、ネロはどう?黒という意味よ。濡羽色が艶やかでとても綺麗だから」

「ネロ、ネロ……いいね、気に入った」

そう言うと、ネロの額に魔方陣が浮いて光ったかと思ったら消えた。

勿論、私の左胸も少し熱くなった。


『また仲間が増えたか』

『そうみたい』

戻ってきたアステルとテーレがネロを見ながら言う。

「ネロだよ。さっきはごめん。そしてこれからよろしく」

『まあ、いいだろう』

『うんうん。仲間増えるの楽しい』

「よかった」

なんのわだかまりもなく、受け入れてくれたアステルとテーレに感謝だ。


「またなの?一体どんだけ契約するのさ。またエリーの肌に傷がついた。もう、ちょっと見せて」

そう言って私の胸元に手をかけようとしたエルの手を、ルークがガシッと掴む。

「エリーはもう私のだから。いくらエルでもそんな場所見ようとしないでくれる?私だってまだ見てないのに」

とっても黒い微笑みで言うルーク。


「何言ってるの?僕たちは兄妹なんだからいいだろ。それに婚約者ってだけでまだルーク殿下のものじゃないから」

「ハハハ、エルこそ何言ってるの?兄妹だからってやっていい事と悪いことがあるでしょ。うら若き乙女の身体を見ようだなんてゲスだね」

「はあ?別に裸を見ようってわけじゃないでしょ。契約紋を見ようとしてるだけじゃないか。イヤだ、ルーク殿下はそれ以上の妄想が働いちゃったの?うわあ、やらしい」


「どれどれ。ああ、綺麗に横並びに入ってるわね。皆微妙に柄が違うのねえ」

『それはそうだろう。紋というのは個体で違うものだからな』

『綺麗ね、エリー』

「ホント、ボクのもちゃんと入ってる。嬉しいな」

「私も嬉しいわ」


「……」

「……」

「二人とも、何ポカンとしてるの?ちゃんと私が見てあげたから。傷だなんて表現は失礼なくらい綺麗よ」

ウィロウがバカにしたように二人に言った。


「なんでウィロウが見ちゃってるわけ?」

「やあねえ、当たり前じゃない。こういうのは女同士って決まってるでしょ。そんなこともわからないなんて……色ボケどもが」

「あはははは、色ボケどもだって。笑えるね」


ライリーがボコボコにされたのは言うまでもない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ