シナリオ前にクライマックス
「その話は本当なのですか?」
「宰相である私が臣下を不安にさせるような嘘は吐きませんよ」
宰相アデル様が言うには、現在帝国南の辺境の地である荒野にて、ジャイアントベアなどのAランクの魔獣1000体を含む一万の魔獣の軍勢が現れて、帝国中心部に向けて前進しているらしい。
周辺地域の避難は終わっているらしいが、このままだと帝都まで到達しかねないそうだ。
帝国南部の領地と里は放棄し、建物などを破壊する行為に走らせることで時間を稼いでいるそうだ。
「帝都に到達するのはあと半刻くらいですかね。そういうわけで、今すぐにでも荒野へと足を運んで頂けると助かります」
「半刻!?半日とか全然猶予がないじゃん」
『や、やべぇよ!どうするよナスタ!』
『逃げましょうリアスさん!』
『2人とも黙っていてください』
クレに怒られて慌てふためいたフェリーとナスタは押し黙る。
でも2人の反応が正常な反応だよな。
一万の軍勢が迫ってるとか聞かされたら、現実的に考えて街を放棄する選択しかない。
しかし陛下はその考えはないらしく、軍勢に対抗する予定らしい。
迎え打つに当たって、陣形を考えたらしいがそれが酷い。
手前に男爵と子爵を配置し、突破されたら続いて伯爵家、侯爵家、公爵家の順番で帝都を守る隊を作るらしい。
騎士だけじゃ足りないんだと。
そう言いながらも最終防衛ラインの公爵家のところに騎士団を配置しているらしい。
それはもう耳を疑うよな。
それで陛下は俺達に、男爵と子爵を指揮して軍勢をなんとか食い止めてくれって?
「正直敬語使う気にならないから言うけどさ、あんたら俺達に死んで来いって言ってる?馬鹿かよ。闘える貴族のが少ないんだぞ?普通騎士団を手前に配置して、抑えている間に帝都の民達を避難させる」
「公爵家の意向に逆らう事は出来ませんでした。申し訳ございません」
「はぁ、こんな時まで自分のこととか。民あってこその貴族だって言うのに」
「リアス様、今回ばかりは運がなかったって手を振り払ってもいいんじゃないでしょうか?さすがに呆れましたよ」
俺もイルミナと同意見だ。
俺達だけなら遠くに逃げられるし。
騎士が居たら、生存率はかなり上がっただろうけど、それでも死者は出るだろうし、指揮するって事はそれだけ責任を俺に背負えって事じゃん。
やだよそんなの。
「断ってもいいか?」
「リアス様は風神様と契約しているとお聞きました。その力を貸しては頂けないでしょうか?」
「クレの力を利用しようってのか?」
「いいえ違います」
「違わないなら断ってもいいんだよな?」
「それは・・・」
「ちょっと待ってよ兄貴!ワタクシまで見捨てる気!?ワタクシは皇令で呼び出されているのよ!?」
ちっ。
そうだった。
別にアルナを共に連れて行ってもいい気がするけど。
だってこれもう帝国滅ぶだろ。
「お前が望むなら一緒に連れて行ってやるよ。アルジオとグレコもな」
「え、いやでも・・・領民達は?このままだとアルゴノート領にも到達するのですわよ?」
「それは・・・」
俺は領民達の顔を思い出す。
たしかに6年間の間に領地に笑顔が増えた。
6年前に飢餓に苦しんだ子供達や領民達にまた別の苦しい思いをさせるのは、俺としても心苦しい。
「リアスくん・・・」
袖を引っ張り目で訴えてくるミラ。
この子は俺の言うことには多分何も言わずに従ってくれると思う。
でもそこに憂いが残らないとは限らない。
これは奢りでも何でも無い。
おそらくこの国に魔物大量発生を防ぐことができる人間は俺達を除けば、精々花そその主人公くらいだろう。
でもシナリオが始まるのが学園入学後だ。
そして主人公の初期値ではジャイアントベア一体でも苦戦する。
つまり現状対処できるのは俺達だけって事になる。
このまま俺が放置すれば、恐らく帝国は滅んで民達は魔物に食われるか、衣食住を失い飢餓に苦しむかの二択だ。
帝都の奴らはともかく、領地の仲良い人達が苦しむ姿は・・・俺としても見たくない。
「ミラ・・・」
「ん?」
俺はミラの頭を撫でる。
ミラも不安そうな顔をしながらも目を閉じてされるがままだ。
そしてアルナを見る。
「心配すんな」
「あ、兄貴ぃ~」
アルナは6年前は庶民は貴族に仕えるものだとか言ってたのに、成長したよな。
多分このまま花そそのシナリオが始まっても、悪役令嬢のガヤポジションにはならないだろう。
モブですらないタダの背景だ。
「みんな力を貸してくれよ。俺一人じゃ不安だが、みんながいれば乗り切れると思ってる」
俺はこの場に居る頼れる仲間達に問いかける。
それは精霊も含めた全員だ。
ここに居る奴らは信用できる。
前世も含めた人生で家族以外に出来た友。
『ま、任せてください・・・少し怖いけど』
『お、俺も頑張るぜ!』
『全力でイルミナを援護するブヒィ!』
ナスタとフェリーとシュバリンは三者三様の気持ちではあるが、協力してくれるみたいだ。
クレが笑いながら俺の肩に飛び乗ってきた。
『ふふっ、まるでシナリオ前にクライマックスが訪れてるみたいですよ』
たしかに。
でも人生ってそんなもんじゃないかね?
大きな事件のあとに平和が訪れてまた大きな事件が起こる。
その規模は大小あれどあると思う。
「後悔しませんか?正直、一万は現実的には厳しいと思いますよ」
「イルミナ、不可能を可能にできたら------」
俺は人差し指を向けて、親指を上に立てて銃を撃つようにバーンと手を曲げる。
「最高にかっこいいだろ?」
イルミナは呆けた顔をしたけど、次にはやれやれと笑顔になる。
どうやら了承してくれたようだ。
「リアスくんはボクが全力で守るからね!」
「おう!信頼してるぜミラ!俺の愛しい人!」
「愛人みたいでやだよその言い方。ボクの大切な将来の旦那様!」
「ミラこそ言い方がくせぇよ」
俺達は笑い会う。
気づけば全員が笑っていた。
これから死地に飛び込もうとしてる奴らとは思えないな。
アデルさんも呆気にとられてるし。
「ってことだアデルさん。その依頼引き受けるよ」
「は、え。はい。ありがとうございます」
「それで、猶予は半刻しかないと言うことは、もう貴族達は配置についているんですよね?」
「えぇ、伝令は出しましたので。実際の状況は把握できておりません」
「それでいいんですか?」
「すいません。こちらも色々とすることがございまして」
恐らく俺達を捜し回っていたんだろうな。
でもそれは俺達に悟られないようにしている当たり気を遣ってくれている。
それだけ俺達に賭けているとも取れるけど、国の命運をたかだか15歳に賭けて良いのかね?
まぁ風神、クレと契約しているからだろうけど。
「とりあえずご案内します。クロウ!」
鴉の精霊か。
すごい、影分身のように分裂し始めた。
そして船みたいな形になる。
そこにアデルさんが足をかけて乗り込んだ。
あ、これ乗れるんだ。
「さぁ、お乗りください」
『安全第一にゃ!』
にゃ・・・
鴉みたいな見た目してにゃ。
ミラもさすがに驚いているのか面白いのか、クスクスと笑っている。
「失礼して・・・」
「ふわふわだ。ありがとクロウ」
『どういたしましてにゃ雷神様!』
『最悪落ちても、私が受けとめますので安心してください』
そりゃ安心だな。
全員が乗っかったところで船が動き出した。
これって魔法なのかね?
しばらくすると、武装した集団が見えてきた。
騎士団っぽい奴らがいるのを見るに公爵達だろう。
これから帝国が滅びようってのに談笑か?
自分達は安全な場所から、下位の貴族達に命懸けの闘いは任せて高みの見物とか。
俺は思いっきり唾を飛ばした。
「汚いリアスくん!」
「兄貴、それはどうかと思いますの・・・」
「リアス様ですから仕方ないですね」
「だよなぁ。でも坊ちゃんさすがに酷いと思うぜ」
「いいじゃんか別に。こいつら、貴族のプライドだけいっちょ前でそれ以外ダメダメなんだし、唾かけられる報いくらい受けさせても!」
この場にいるアデルさん以外の全員が呆れて首を振っている。
「精神年齢が幼いよリアスくん」
「やることがガキですの」
「ひっでぇ!」
「オッホン!」
アデルさんの咳払いと共に、俺達は前を見た。
恐らくもう到着したのだろう。
下を見れば、武装すらしていない学生服の少年少女達や、武装したおっさん達が顔を青くして構えていた。
先ほど談笑していた公爵達とは大違いだな。
そりゃそうか。
死が一番近い場所だしな。
「到着しましたよ」
「ありがとよ」
俺達はそれぞれ礼を言って飛び降りた。
結構高さがあったので、非戦闘員のアルナとメルセデスはそれぞれミラと俺が抱えている。
突然空から振ってきた俺達に口をパクパクとさせている子爵や男爵の人達は、およそ数にして80人ほどいた。
うん、80人で一万を迎え撃とうとか、どんな馬鹿だろうか。
「急に飛び降りるってどういうことですか!さすがに焦りましたよ!」
「こんなことで宰相様が焦んなよ」
「10m上空から飛び降りればそりゃあ焦るものですよ!」
「あー、はいはい」
「でもさすがですね。実力を確かめるまでもない事はわかりました」
異常ってことかい?
まぁたしかに10mも上空から飛び降りて無傷ならそう思うよな。
アデルさんが地上に降り立つと、拍手をして俺達を迎える人が居た。
「愉快な登場だねぇ」
「へ、陛下!?どうしてここに!?」
「アデル、あんたがいつまでたっても彼を連れてこないからよ!さすがにアタシまで高みの見物とか国民に示しも付かんだろう?それにこいつには軽蔑されたくなかったしね」
陛下は俺の頭をワシャワシャと撫でる。
俺はあんたの息子か!
「陛下とリアスは仲良いんですね」
「イルシア様まで!?」
「あ、イルシア先輩」
「さっきぶりだな」
「どうしてイルシア先輩がここに?」
「リアスくん、誰この人?」
「あぁ、この人は」
「どうも初めまして。俺はイルシア・フォン・ターニャ。公爵家の子息嫡男だよ」
ターニャという言葉に反応するミラ。
どういうことって目で訴えてくるけど、どうもこうもない。
たしかに花そその悪役令嬢の兄がイルシアだ。
それはミラにも伝えてある。
そしてどんなキャラかも。
シナリオに関わる気が無い俺が知り合いになっていることが不思議だったんだろう。
「なんか成り行きで知りあっちゃって」
「別にリアスくんがいいならいいけど」
「なんの話だ?君は彼の使用人か?」
「あ?イルシア先輩でも言って良いことと悪いことが------」
「まぁまぁ。ボクはリアスくんの婚約者のミライです。愛称のミラって呼ぶことはリアスくんにしか許してないので、ミライとお呼びください」
愛称呼びは精霊に取って特別なものらしいし、多分俺以外には許してないんだろう。
クレですら許してないんだから。
「わかったよミライちゃんよろしく」
「どうして公爵であるイルシア先輩がここに?まぁ陛下もいるのがおかしいんだけど」
「それは陛下と同じ考えではないな。お前が捕まえた男を関所に届けたところ、バルドフェルドは召集されてな。あいつの両親は帝都から逃げ出したそうだ。それで急遽、親友のバルドフェルドがグランマドの領主としてここに呼ばれた。最前線にいるのに、俺が安全なところでのうのうと手を加えず待ってる?さすがに考えられないよ」
え、ってことはバルドフェルド先輩の親は、実質領主としての地位を、貴族地位を取り上げられたのか。
まぁ敵前逃亡で、貴族としての責務も果たさないならそうなるだろうな。
「へぇ、それは不運ですね。そう言えば先輩は?」
「もう向こうに居るぞ。あいつは魔術が得意だからな。後方支援としているらしい。と言うか学生は基本後方支援だな」
「あ、ホントだ。手を振ってる」
俺はバルドフェルド先輩に手を振り返す。
そういや花そそのイルシアは、恐らくあの捕まえた偽イルシアなんだよな。
イルシアは結構ストーリーに絡んできたけど、このイルシアは絡んでこないんじゃないか?
それにグレシアの兄だし、グレシアが万が一婚約破棄されたらイルシアにケアしてもらえばいいのでは!?
俺って天才かも知れない。
そう思ってたらクレが急に襟を引っ張ってきたので、クレに意識を向ける。
『なに自分の世界に入ってるんですか。来ましたよ。思ったより進軍が早いようです』
荒野の方を見ると、砂埃を立ててこちらへと来る軍勢が見える。
大量の魔物達だ。
本当に一万か?
もっといそうな気がするんだけど。
「おぉ、マジか。ぱっと見ただけでもヤバいな。ジャイアントベアと・・・おいあれって」
豚の顔した人間のような装備をした兵士がいる。
豚って事はさ、豚って事はさぁ!
あれってもしかして食えるんじゃ?
『ボアソルジャーですね。豚の顔をしたソルジャー。ジャイアントベアと実力はどっこいくらいでしょう』
「違う。あれ食えるのか?」
『多分不味いですよ。筋肉だらけでしょうし』
あ、不味いのね。
少し残念だ。
レッドボアとかはぱっと見いないし、いれば確保しようと考えてたのに。
「陛下は下がる気はないですか?」
「ない!リアスの勇姿をこの目で焼き付けようと思ってる!」
「いくら俺がクレ、風神を従えてるといっても勝てる保証はありませんよ?」
出来れば後ろに下がって欲しいんだけど。
万が一洩れた魔獣が襲ってこないとも限らないし。
「構わないわ。ゴードンもいるしな!」
指さした方をみると、屋根の上で仁王立ちするゴードンがいた。
何してんのあの人。
怖いんだけど。
「そうですか。確認したんですけど、男爵や子爵達に指揮官を取るのが俺だって言ってあるんですか?」
「指揮官・・・いや言ってないわ。よく考えてもみな。この国の貴族が男爵家の嫡男でもない小僧の言うことを聞くと思うか?ワーハハハハ!」
「陛下、それって俺の力を頼りにしているって事じゃないですか。帰って良いですか?」
「無論、無料とは言わないわ。公爵家になるための大義名分を得るために、ここでは活躍してほしかったのもあるのだけど、それだけじゃちょっと足りないわよね」
公爵家の保証は、帝国が滅んでしまったらどうしようもないから価値は下がる。
だから別の条件を提示しようと言うのか。
くわせ狸め。
「帝国が無事だったアカツキには、皇帝であるアタシと同じ権限をあなたに与えるわ!」
「げっ、めんどくさいもん押しつけてきやがった。帰って良いですか?」
「な、なんで!?」
そりゃ帰りたくなるわ。
皇帝と同じ権限って狙われる事が多くなるだけじゃん。
帝都ではなんの信頼関係もないんだから。
『それは悪くないですね。これから精霊契約の儀について調べるためにも、その権限はかなり大きいと思います。現在では帝国くらいしか精霊契約の儀をしていないので、帝国が滅べばしばらくはなくなるかもしれません。ですが、いつまた再開されるかわかったもんじゃない。だったら帝国を守り抜くことで、精霊契約の儀について調べるのも悪い選択ではないかと』
なるほど、皇帝と同じ権限って事は実質、俺が何をするにしても体裁的に問題ないってことだ。
でも絶対面倒ごとが増えるぞ。
「皇帝と同じ権限のメリットとデメリットが釣り合わないんだよなぁ」
「いや、この国を自由にできるんだぞ!」
「あ、リアスくん。だったらこういうのはどう?ボク達に手を出したら、即刻死刑にして良い制度。裁判をせずその場で断罪する権利を加えれば完璧じゃない?」
笑顔でミラはエグいことを考える。
これで俺達の命を狙う者は、言い訳の場所を与える必要がない。
見ろよ、さすがに近くで聞いてた男爵連中が青い顔をしてる。
いや、これは俺達に対してじゃないか。
「いや、さすがにそれは・・・」
「悪くないな。陛下、それでも大丈夫ですか?」
「リアス様、さすがにそれは貴族達から批判が殺到してしまいます!」
「あ、それなら問題ないと思いますよ」
もしこの意見を通すなら少なくとも男爵や子爵達には力を示す必要がある。
それにクレからは力は隠す必要が無いかも知れないと言っていた。
というか、刺客に対して一々対処してたらそうなるよな。
そして帝国に骨を埋める気なら、ここで俺の実力はある程度は知れてしまう。
だったらいっそのこと、全力を出して俺に何かすればどうなるかをあの魔物達に体現してもらえばいいじゃないかって思うわけだ。
「問題ない?いいえ、必ず起こります。えぇ、確実に!」
「違うよ。絶対に起こらないんだ。ね?」
「あぁ」
ミラは俺がしようとしてることがわかってるみたいだ。
だからこそ、何も問題が起こらないと確信してる。
貴族達から批判はたしかに起きるあろう。
だけどここには皇帝や宰相と、次期を含めた当主が複数人いるんだ。
その声をどうにかしてでも俺に届かせないよう全力を尽くすだろう。
全力で闘うってことはそう言うことだ。
「どうやら何か考えがあるみたいだね?」
「もちろんです」
「良いだろう。お前に何かした輩がいれば、裁判は行わずに罪にする。ただ死刑は受け入れられない。それでいいかい?」
死刑はさすがに無理だったか。
死という何よりもの恐怖がほしかったんだけどな。
「陛下!」
「まぁ今のところは良いですそれで」
「リアス様も・・・はぁ」
あとで胃薬をアデルさんにあげよう。
苦労が絶えなさそうだ。
「おい、男爵、子爵諸君!」
ざわざわと俺の方に視線をやり、ひそひそと何かを話している。
あいつは何者なんだとか、陛下と対等な感じで話しているのが気にくわないとか、まぁ俺に対して善意的な意見は聞こえてこない。
言ってるかも知れないけど、聞こえないレベルだ。
「今からあんたらは俺達の指揮下に入ってもらう。クレ、ナスタ、シュバリン。お前らはアルナとメルセデスを守ってやってくれ」
『え、いいのですか?そんなことしたらリアスさん』
『ブヒィ、他の人間達に精霊無しで魔法が使えることがバレちまうブヒィ』
『面白いです。どのみちリアス達が全力を尽くすなら一万じゃ足りませんし、私達がいたら億は持ってきてもらわないとどうしようもなくなりますからね。リアスは私達と喋れること以外のすべてをここで公開するみたいですよ。もっとも男爵と子爵だけにでしょうけど』
ミラは笑いながら、イルミナは呆れながら肩にいるナスタとシュバリンを二人に預けた。
そしてクレはアルナの肩に乗っかった。
「おいおい兄ちゃん。精霊とそんなに離れたら魔法が使えないぜ?」
「いいんだ」
「おいおい、自分は魔法を使わないで見物しようとしてんのかよ!そんな奴俺達の命を預けるのか!そんなのごめんだ!アデル様、アデル様がここにいらっしゃるなら、貴方が指揮をとられてはいかかでしょうか」
まぁそうなるよな。
魔法が使えないって事は、俺は闘いに参加する気が無いと思われても仕方ないよな。
だけど、俺が魔法を預けた意味は違う。
俺は文句言った奴の頭上に水を作り出してかける。
「精霊がいなきゃ魔法が使えないお前らと一緒にするな」
「え、み、水!?」
「おい、あいつ今精霊がいないのに魔法を使ったのか?」
「いや、ギリギリ距離が近かっただけだろ」
「あ、そんなこと言っちゃう?んじゃ!」
俺は身体強化を使用して大きく跳躍、軍勢の近くまで飛んでいった。
ジャイアントベアやボアソルジャーが怖い目でみてる。
他にもゴブリン、オーガ、スライムやキメラ、ジャイアントアントとか、まぁ花そそでも雑魚キャラに位置づけされる魔獣達がいるけど、そいつらは無視。
俺は一匹のジャイアントベアの顔面をアイアンクローで掴み、再び大きく跳躍して元の場所に戻る。
俺がジャイアントベアを持ち帰ると、ミラとイルミナがジャイアントベアを絞めてくれた。
ショックボルトで気絶させたあと、イルミナが頭を蹴り飛ばして切断。
完全にジャイアントベアが絶命した。
「これで信じてくれたか?」
俺が笑顔でそう言ってもその場にいる者は誰一人として声を上げなかった。
リアス「手加減したんだけど、やり過ぎたか?」
ミライ「恐怖で誰も声が出なかったね」
イルミナ「ジャイアントベアは普通単独で狩る生き物とされていませんからね」
リアス「やったぜ!俺が強いかっこいいと思ったら高評価や感想よろしくな」
クレ『それじゃあ感想も高評価も来ませんよ。ミライの可愛い姿、イルミナの美しい姿が見たいと思った方は高評価ください!作者に全力で書かせます!』




