森林内の村観光(ミライ視点)
「じゃあやっぱりサロンガは土神と人間のハーフなんだ」
「ムシャムシャ・・・」
「うん。でもまさかミライさんも僕と同じ精霊とのハーフだとは思ってなかったー!」
「もぐもぐ・・・」
「まぁボクはエルフと精霊のハーフだから少し違うけどね。でも同じ境遇の人がいるとは思ってなかったから驚いたよー」
あのフクロウのおじさんがボクと同じって言ってたことや、精霊の言葉を話せたことからなんとなく察してたけどね。
それでも本人から聞いたら納得いく。
「サロンガは魔力って回復するの?」
ふと昔リアスくんから聞かれたことがあった。
なんでボクはエルフと精霊のハーフなのに魔力が回復しないのか。
ボク的には精霊の血が混じってるからその影響からだと思うけど。
実際ボクはリアスくんと契約出来てるから、多分精霊の血が混じってることが原因だよね。
でももしかしたらその仮説は違うかもしれない。
「僕、まず魔法使えないからわからない・・・」
魔法が使えない。
そう言えばサロンガは三歳って言ってた。
使えなくてもおかしくないか。
じゃあ魔力があるかどうかすらわからないか。
しかしサロンガが目に見えて落ち込んじゃった。
これはフォローしないと。
「ごめんボクの配慮不足だったね。ボクも君くらいの時は魔法は使えなかったし大丈夫だよ」
「ハムハム・・・」
「うん!」
「もごもご・・・」
「なんならお姉ちゃんが教えてあげようか。君のおかーさんは聖女みたいだし、ボク達の目的地もバグバッドだから一緒だと思うし」
「あむあむ・・・」
「え、いいの?」
「ゴクゴク・・・」
「うん。でも今日は観光を楽しもうか。君も聖女が義母でその護衛が父親じゃあまり観光なんてしてこなかったでしょ?」
「がぶがぶ・・・」
「うん!楽しみ!」
ボク達は今、魔族の村のクリムゾンボロウニアを回っている。
リアスくん達が話をしている間、ボク達は暇だから。
それにしても・・・さっきからうるさい。
ボクはその音を立ててる主の方を向く。
「サンドラ、仲間達が死んだから落ち込まないでって言おうと思ってたけど、案外君図太いね!」
「ふごぉ、ふぐぁふふぁふぁ!」
あぁ、もう口の中を空にしてから喋って欲しいなぁ。
普通に口の中身が飛んできて汚い。
「はしたないです。食べ物は飲み込んでから話してくださいまし」
「それ、ボクも言おうと思ってた。でもイルミナも悪いよ。サンドラに食事を与えて」
「すいません。彼女は家族を亡くして落ち込んでいるかと思いまして・・・わたしは家族が失ってどれだけ悲しいのかわかりませんから・・・」
これはボクの失言だった。
イルミナの境遇を考えたら、家族が死んでも何も感じないのは頷ける。
それを食事で誤魔化すって言うのは、別段悪いことじゃないと思うけど。
「ごっくん。ごめんごめん。クリポロに来るの久しぶりだったからついね」
「サンドラはここに来るの初めてじゃないんだ」
「僕、何度かドラゴンさん見たことあるよー」
「え、わたしは貴方のこと見たことないわ」
もう少し言葉を選ぼうよ。
サロンガくん泣きそうな目になってるし。
「サロンガくん。彼女はおばあさんみたいな年齢してるから若い子の気持ちがわからないのよ」
「酷いわ!わたしはまだピチピチの------」
「100歳超えてる時点で十分おばあちゃんでしょー?」
「むぅぅ!あんたらはわたしからしたまだ赤ん坊よ!」
「あれー?サンドラ様は赤ん坊な言動に対してそんなムキになるのですかー?」
「ぷふっ、アルターニア最高だよ」
サンドラはいじりがいがあるなぁ。
顔を真っ赤にして地団駄を踏むその姿はまさに子供だね。
実際の精神年齢は見た目よりも幼いのかもしれないなぁ。
「サンドラは放っといて、ボク達はあまり歓迎されてないと思ったけど、イルミナが露店で物を変えた当たりそうでもないんだね」
「どうでしょうか?貨幣での取引ではなかったので、有用と思ったんじゃないでしょうか?」
確かに人の集落からかなり離れた地域で暮らしてる以上、貨幣はおそらく使えないだろうからってリアスくんから魔道具を渡された。
それがバンソウコウ。
リリィとの共同開発らしい。
シールになってて、傷のある部位に貼り付けると一日で傷が完治する物らしい。
欠損してても傷口が覆えれば使えるっていうんだからすごいよね。
ボクやリアスくんの治癒魔法じゃ傷を塞ぐ程度で完治はできない。
クレセントおじさんも致命傷はギリギリ治せるけど、欠損部位は治せないらしい。
欠損部位が治せるのは聖獣とその魔力を宿した聖人聖女だけだし、それもかなり魔力を消費するらしい。
「バンソウコウひとつでこれだけもらえるとは思ってませんでした」
「あはは・・・ボク達はリアスくんの恩恵にあやかれてるし、リリィもいるから欠損部位の治療がポピュラーだからじゃない?」
おそらくだけど部位欠損を治すって思考になるのは転生者くらいだと思う。
聖国は神からもらった身体に対して冒涜だー!とか言いそうだし。
それだけこの世界の神に対する信仰心は強い。
いるかどうかもわからないものにそれだけ熱中できるのは羨ましいけどね。
「欠損部位の治療ってそんな難しいことなの?」
「ドラゴンでは一般的なの?」
「まさか。欠損部位どころか治癒魔法すら使えないよ。ヒトはそうじゃないの?」
「ボクが知る限りでは聖獣にしか直せないと思ったけど」
「え、あの狡猾な種族が?何かの冗談よね?」
そういえばおじさんも聖獣は聡明って言ってたなぁ。
メルセデスとグレシアのパートナーとクロとメシアは契約魔法を持っていなかった。
本来聖獣は契約魔法を覚えていない。
それは別に契約魔法を使えないってわけじゃなくて、単純に機会がないかららしい。
クロとメシアはおじさんから契約魔法を教わった使ってたし。
あーでもてぃっくんは契約魔法を知ってて、リリィと契約してたなぁ。
「狡猾って、聡明っていいなよ」
「あんな人間を食い物にしてる奴らに聡明?寒気がするわよ」
「そんな大袈裟な・・・」
それともクロとメシアが異常なのかな?
そもそも精霊共鳴って記憶も共有するらしいし、相手を本気で護りたい、信用してるって思わないとできないらしいし。
「そんなことよりも!せっかくこんな幻想的な村に来たのだから楽しまないと損ですわ!」
「アルターニア・・」
この重苦しい空気を変えてくれたんだよね。
アルターニアは帝国貴族なのに気がつかえて優しいなぁ。
きっと両親の教育がよかったのかな?
「そうだね。サンドラ、サロンガ、ここの名所って何かな?」
「うーん名所って言っても、あまりこの村に来たことないのよね。付き添いでここに来た感じだし、そもそもわたしが進化したのは最近だからそこまで把握してないわよ」
「ごめんなさい。僕もここにはあまり来てなかったから・・・」
「えー、じゃあこの中でこの村について詳しい人はいないってことじゃん。どうしよう」
リアスくん達の話は恐らく長くなるだろうし、できればここの文化に触れたかったんだけど・・・
でも不思議だなぁ。
彼らは人間を見慣れてないと思ったけど、ボク達にあまり視線を向けてこない。
希有な視線を向けてきてもおかしくないんだけど。
「ねぇミライ。あれって人じゃないかしら?」
ボクの服の袖をグイグイと引っ張ってくるアルターニアが指を差した方向を向けると、そこにはたしかに人間の見た目をした集団がいた。
「もしかしてあれはエルフじゃないですか?」
「エルフ・・・」
「ミライはエルフでしたわよね」
「ボクはエルフと精霊のハーフ。厳密にはエルフじゃないよ」
エルフについてはおかーさんから少し聞いてる。
魔力がかなり高い人間で、そのほとんどが魔法使いになるのが一般的。
そして寿命が人間の五倍くらいあるってこと。
それは魔力量が関係していて、魔力が多ければ多いほど寿命が長い傾向にあるらしい。
ボクがどれくらい生きられるかわからないけど、魔力が多いのが長寿の理由ならリアスくんとは長い時を共に過ごせると少し期待してる。
神話級の精霊とエルフのハーフのボクはどれだけ長く生きれるかはわからないしね。
「彼らが何をするかわからないけど、あんまり関わらないようにしよう」
「ミライ様はよろしいのですか?」
「興味ないよ。ボクの家族はリアスにイルミナやアルナ、メルセデスと言ったアルゴノート家のみんなだし」
全く興味が湧かない。
それだけエルフについてはどうでもいい。
それよりもこの村の特産の料理を食べる方がよっぽど有用だ。
「それよりもご飯食べたい。なんか美味しい料理とかないかな」
「あ、クリムゾンボロウニアの郷土料理ならわたしわかるわよ」
「サンドラ・・・初めて役にたったね!」
「失礼ね!ちゃんとパンフレットくらい読みなさいよ」
「え、パンフレット?そんなのいつ配られた?」
紙に絵だったり魔法陣だったり色々と書かれてる。
すごいなにこれ。
名所から何まで紙に事細かに描いてある。
しかもたった一枚に収めてる。
パンフレットなんて本になってるのが一般的なのに。
「すごいねこれ」
「わたしも驚きました。ライザー帝国ではこういったものは分厚くはなくとも、何枚にも重なっていますから」
「まぁそれは帝国の国土が広いからだろうけどね。でもこれは観光客にはあまり必要ない国の歴史とかも省かれてるし、一枚って言うのもかなり見やすいね」
「見せてくださいまし!」
アルターニアがボクが手に持ってたパンフレットをパッと奪い取った、
まぁアルターニアは公爵令嬢だし、こういうのは知っておきたいよね。
「な、な、な、なんですこれは!?」
「なんでみんなそんなに驚いてるのよ?これはうちの村でも配られてたわよ」
「一枚でまとまられていて、これは帝国でも取りいれたいくらいです。すごいですわよこれは!」
この森としては一般的なんだ。
面白いね。
外界とこの森では文化がまるで違う。
でもそれもそうか。
行ったことないけどヒャルハッハ王国とライザー帝国でも文化は違うだろうし、これからボク達がいくバグバッド共和国も多分ライザーとは文化が違う。
「まぁせっかくこんな資料もらったんだし、リアスくんが戻るまでに見て回ろうよ」
「そうですね。ミライ様、わたしはそふとくりぃむという物が気になります」
「説明だとアイスに似たような感じだから少し期待してる」
「はいはいはい!わたしはこの森の宝石店と言う物が気になります!帝国に持ち帰れば、他の貴族令嬢達の関心も刺激出来ますし経済も回ります!なんとか製法も教えていただければいいのですが・・・」
アルターニアはこんなところでも公務・・・
苦笑いするしかないよ。
でもアルターニアみたく国の為を思ってる貴族は少ないし、令嬢ともなると本当にアルシアくらいじゃないかな?
まぁボク達には貴族の人脈はあまり多くないし何とも言えないけど。
「取りあえずいくだけ言ってみようよ。バグバッドは身分の関係上観光は出来ないだろうし、アルターニアの意見を一番に聞こうか」
「承知致しました」
「やったー!」
「なんで三人で!わたしもいることを忘れないでよ」
「あぁ、サンドラいたんだ」
「本気で忘れてたの!?ねぇ、ミライ!?」
「僕も忘れないでよー」
それからサンドラを時にからかいながら、時には道歩く子供と遊びながらボク達は観光を楽しんだ。
そふとくりぃむは美味しかったな。
アイスとはまた違った触感だけど、ちゃんと冷たかったし。
戻ったらメルセデスに再現してもらおうかな。
今は、アルターニアが希望した宝石店に来てる。
「すごいです。こんなに輝いてるのに宝石じゃないのですね安価ですし」
「あぁ、これはぷらすちっくって言って、初代魔王様が考案したんだぜ」
「まぁ!初代魔王様とは聡明な方でしたのね」
「あぁ、魔王様々だよ」
アルターニアが店主と話しながら魔王を褒めている。
たしかにすごい。
持つと軽いけどちゃんと輝いてる。
それに値段も安い。
一番高い物でも銀貨一枚分くらいだ。
ボク達は観光を始める前に、商店でバンソウコウを売った。
この国のお金とは言え、一枚で金貨一枚分になった。
一人銀貨2枚を小遣いにして観光して、食べ物で大体1枚分は使った。
そしてこの店では高いのが銀貨1枚だから一つならなんでも買える計算だ。
「本当ならもっと良い物もあったんだがな。嬢ちゃんに見せてやりたかった」
「と、言うと?」
「ん?嬢ちゃんはあのエルフ一行とは別で来た口かい?」
「エルフ一行?あぁ、そう言えば集団を見かけましたわね」
「なんだ、ゴーシュの護衛とは違うのかい。嬢ちゃん達は見たところ若いし知らないのも無理ないか。あいつらはエルフの村長の護衛なんだが、態度が横柄でな。だが腕っ節は強く、強力な魔法も使える。それがわかってる奴らは徴収と言って店から物を巻き上げてってるんだ」
「なんですって!?力で弱き者を虐げるなんて、強者のすることじゃないわ!」
「あぁ。今まではそんなことなかったんだが、今回大幅に人員が変わったみたいでな。あいつらはたしかに前の護衛より強い。ここら辺を取り仕切ってるヤツキ団って言う自警団のリーダーのリザードマンのカイマンが手も足も出ずにやられたかんなぁ」
リザードマン?
二つ名か何かかな?
「あ、リザードマンってのは種族の名前だ。ドラゴンに近いもんだと思ってくれ」
「そんなお強い方が手も足も出ずに・・・いいえ、それでも力で相手を屈服させるのはよくないことです!」
「あぁ?嬢ちゃん俺達になんか文句でもあんのかぁ?」
後ろにいたのは、ガタイの良い三人組だった。
一人はよくみたら胸がある。
「あら、どちら様かしら?」
「あ?てめぇエルフの癖にわからねぇのか?」
「じょ、嬢ちゃん!?」
「あぁ先ほど言ってた野蛮人ですか。それでわたしにも暴力で訴えて自分を正当化しようと、そういうことですか」
うわ、顔真っ赤。
でもどうする気だろう。
まさか殴り罹るんじゃ。
あ、腕を振り上げた。
「そうかそうか。お前は村長の護衛である、バイコ・ラオメ様に逆らわなかったらどうなるか教えてやん------」
拳を振り上げた瞬間が命取りだよね。
イルミナは即座に拳を振り上げた彼の顎に一蹴りし気絶。
その後素早く二人目の男の鳩尾に膝蹴り。
そして最後に女性の首を締め上げ、意識を刈り取った。
一応ボク達はジノアとアルターニアの護衛だ。
そんなことしたようなもんなら一瞬で排除される。
「一瞬で・・・」
「さすがですね。たしかにアルナが言ってたとおり、優秀ですわね」
「恐縮です」
「イルミナお姉ちゃんすっげぇ!僕何も見えなかったよ!」
「イルミナはすごいからねー!ボク達の中でイルミナより速いのはいないんじゃない?」
あれから修行を重ねてイルミナは身体強化無しで身体強化したリアスくんと互角に渡り合ってた。
魔力の限界値は来てたけど、それでも諦めないで自分を磨く姿勢は尊敬するよね。
「彼らはどうしましょうか」
「うーん・・・」
「店主。彼らを昏倒したことが露呈すると問題が起こりますか?」
「あ、え。いやわかんねぇな。でもこいつらは強盗まがいのことをしてるし、特にお咎めはないかもな。嬢ちゃんすげぇな。あいつら魔法も使えるのに、そんな余裕すらなかったな」
「ありがとうございます。この村には屯所はないのですか?」
「自警団があるにはあるが、さっき言ったとおり一番強いリーダーでも勝てなかったんだ。多分牢屋に入れる意味はないだろうぜ」
檻はそれを止められる看守がいて初めて機能するもんね。
檻って言っても名ばかりで、魔法が使えたら脱出出来ちゃうし。
でも帝国で脱獄って聞いたこと無いな。
なんか秘密があるのかな?
「どうする?」
「デザートオルキヌスの餌にしてしまえばよろしいのでは?」
「あ、それナイスアイディア」
「おいおい嬢ちゃん達、物騒な思考してんのな・・・」
冗談に決まってるのに店主が青い顔してる。
さすがにこの国で問題を起こすのはあまり得策じゃないし。
「二人とも、冗談は止してください。拘束魔法とかありませんの?」
「ボクは拘束する魔法はあるけど、常にこいつらを監視してないといけないし使いたくない」
「自動輪の中に入れておくのはどうでしょう?」
あれは丈夫だからね。
でもリアスくんの収納魔法の中なんだよなぁ。
なんか良いものないかなぁ。
収納魔法の中にはリアスくんが付与魔法で失敗して処分に困った面白い道具をボクはいれてる。
中にあるかも。
「ミライ、何をしてるんですか?」
「うーん、ちょっとなんかないかなーって。あ、あったあった」
「なにこの筒?」
この筒はリアスくんが、土壌を柔らかくする為に作った魔道具。
でも機能が真逆で、土がアダマンタイト並みに硬くなっちゃう物だった。
「ミライ様。ミライ様が何をお考えになってるかわたしにはわかるのですが、あまりそれは自動的ではないかと」
「えー、でもボク観光したいし、彼らに情状酌量の余地ないでしょ」
「・・・そうですね。問題ないかと」
「待ってイルミナ!貴女今考えるのをやめましたわね!?ねぇ待って、一体何をする気なんです!?」
「簡単だよ!」
ボクは三人を引きずって店の外に出る。
そして店の外に、彼らが顔が出るくらいの深さの穴を掘った。
「あとは、こいつらを埋めたら------これでよし!」
「ねぇミライ。その筒は一体どんな機能をしているのです?」
「これねー、土をアダマンタイト並みの硬さにする魔道具だよー!ボクでも砕くの大変なんだー!」
「待って!それって彼らを生き埋めにするって事じゃないですか!?」
「失礼だなぁ。ちゃんと顔は出してるから問題ないでしょ!そらよっと!」
無慈悲にも彼らの周りに三本の魔道具を差し込んだ。
これで魔力を注げば------
「おー、硬い硬い」
「大丈夫なんですの?こんなことして」
「大丈夫でしょ。店主も彼らに暴力を振るわれたんでしょ?」
「そりゃそうだが、これがエルフの村長に知れたらどうなるんだ・・・」
「その村長はどこにいるの?」
「あぁ、多分アンドレアさんのトコロだろうな。ヒト族に戦争をふっかけるとか抜かしてんだよあいつ。俺達はこの森で平和に暮らせればそれでいいのによ」
「こいつら生き埋めにしても大丈夫かな?」
今アンドレアのところに言ってるって事は、リアスくん達の邪魔をしてるんだろうね。
しかもこの護衛の暴挙を許すと店主が思ってる辺り、人柄はあまりよくないでしょ。
埋めても問題ない気がする。
そうする?
いや、そうしよう。
「さすがに生き埋めはまずいですミライ様」
「えー、でもどうせ面倒ごと運ぶよこいつら」
「降りかかる火の粉は払えば良いかと」
んー、それもそうか。
それにサロンガの見てる前でこんなことするのもなんだしね。
「そうだね。じゃあ観光再会しよっか!」
「かしこまりました」
「おっけー、面倒ごとは放置に限るわねー」
「僕ももっと観光したいー」
「え、でも。うーん・・・考えても仕方ありませんわね。行きましょう」
全員観光再開には同意してくれるみたいだね。
アルターニアは少し怪訝な顔をしたが、首を横に振ったあと了承した。
「え、待ってくれ嬢ちゃん達。こいつらどうするんだ?」
「店主に任せるー」
「そんな・・・俺には手に余るぅ!」
「じゃーねー」
店主がなんか騒いでたけど仕方ない。
この村の問題ごとは、この村の人が解決すべきだし。
リアス「このエルフ軍団。絶対面倒ごと持ってくるぞ」
ミライ「でも実力も大した事無いし問題ないんじゃない?」
イルミナ「問題は持ってくる時点で問題なのでは?」
リアス「そうだぞミラ。あいつらは歩く災厄と思って良いだろ」
クレ『さすがに言い過ぎだとは思いますがね』