魔王転生したけど勇者が相談に来た。
「爺や、これで何回目だろうか」
爺や、俺が魔王に転生してから俺の世話役兼執事の爺やだ
ちなみに種族は悪魔で、魔族の中でも温厚だ
「嫌なら人族を滅ぼしてみては?魔王様のステータスなら一瞬かと」
「簡単そうに言うなよなぁ~俺魔王だけど人殺す勇気ないんだわ・・・」
そう、俺は人殺しにはなりたくない
つか罪悪感が怖い。
確かに俺のステータスはヤバイ
<ケンイチ・サヤマ><職業:魔王>
<レベル:999>
<攻撃:99999>
<防御:99999>
<魔力:測定不能>
【スキル】
<全魔法><魔法反射><状態異常無効>
【称号】
<異世界人><世界を破滅に導きし者>
俺、佐山健一は、現世地球で通り魔に心臓を刺され死んだ。
だが目が覚めたらこの禍々しい、『The・魔王の椅子』に座っていた。
困惑していた俺にこの状況を説明してくれたのが俺の執事、悪魔の爺や
本名は知らん、てか興味ねぇ。
魔王になって5ヶ月がたった今、俺はなぜか・・・
勇者や王様や様々な人族の相談屋になっていた。
そして今日も勇者が魔王の俺に相談しにきた
そろそろ自分の力で解決してほしいもんだわマジで。
「で?今日はなに?眠いからはよ言え」
「魔王さん聞いてくれよぉ~俺さぁ・・・僧侶のジェシカちゃんに嫌われたみたいなんだぁ~」
この勇者は〖アレン・エベリエス〗
4代目勇者らしい。
「知るかボケ、なんか変なことでもしたんだろ変態勇者」
「違うって!俺なんもやってねーよ!」
「じゃあ僧侶に嫌われた前の話してみ、なんかしてなきゃ嫌うもんも嫌えねーべ」
「えっーっと確か----」
5分ぐらい話をして
嫌われた理由は分かった
「ギルドで頬にキスされたって言ったのよな」
「あぁ、クエストが終わったからギルドに報告したんだ、そしたら受付のお姉さんがいきなりキスしてきて焦ったぜ」
「いや、原因それだから」
「え!?マジで!?さすが魔王さん!でもなんでそれが原因なんだ?」
「あのねー女心って言うのは難しいのさ勇者君!おそらく僧侶ちゃんは君が好きなんだよ、だから君がキスされてイラついちゃったんだよ!嫉妬だ嫉妬!女の嫉妬は怖いぜ勇者くん」
「じぇ、ジェシカが俺に嫉妬・・?」
「ああそうだ!嫉妬以外にありえんわ!つまり僧侶ちゃんは勇者君が好きなのさ!もし勇者君と僧侶ちゃんの立場が逆だったら勇者くんも嫌でしょ?僧侶ちゃんが知らん男の人にキスされたのみたら」
「お、おぉぉ・・・確かに・・・想像しただけでイラついたぜ!すっげぇよ魔王さん!」
はっはっは!我を誰だと思っている!魔王ぞ!我魔王ぞ!
つっても元平凡な高校生だけど
「ほらさっさと僧侶ちゃんに気持ち伝えてこいや糞ったれハーレム勇者、ちなみに俺とお前らが戦ってる時ずっと勇者くんのこと見てたから100%脈ありだ」
「行ってくるぜ魔王さん!今日もありがとな!!」
全くよぉ・・・俺魔王だぜww
なんで魔王が勇者の相談受けてんのか不思議でならねーわ
勇者も勇者で魔王の俺に相談してきてんじゃねーっての
さ、寝よ寝よ
「あっ」
「魔王様、魔王に睡眠欲はっ」
「うっせぇ黙れ爺!し、知ってるしぃ?寝っ転がろうとしただけで?別にマジで寝ようとしたわけじゃねーから!!」
「なっ・・・プっ・・なるほど・・・」
「何笑い堪えてんだよ糞爺てめえ!もういい!魔王やめまーす!!!こんな暇なところ出てってやる!!」
「あ、魔王様・・・ぷぷっ!」
あ、魔王って代替わりするまで
魔王城、出れないかったんだった・・・
その場で石のように固まった魔王であった。