8 噂
お部屋に到着しました。パッドです。感想0で更新時間も最後だったので。うん。たぶん判定基準はこれだと思う。いいんだ。パッドも慣れたしね。急がない。急がない。
さあ、皆さまの作品に感想を、とお付き合い頂いてる方々に送っていたら、おや?最後のお二人は既に10件の感想がついてます。どうやら同じ時間にスタートで、別のお付き合いが始まったみたい。作品探し再びです。七話全部読んでいると、書いた感想がエラーで弾かれる悪夢の再来となりかねない。申し訳ないけど七話目だけ読んでブックマーク。待ち時間に読ませて頂きます。
『毒にも薬にもならない時間泥棒小説』
『小学生レベル。せめて中二レベルで書いて』
はい。二人の毒者さん現れました。覚悟してても心臓に悪いし、落ち込みます。皆さんの昨日の憔悴ぶりに納得。心を立て直して返信するのに随分時間がかかりました。
さあ、頂いた感想を胸中にしっかり抱いて修正です。八話目はヒロインとの結び付きが強くなります。ストーリーの面白さは自信のある回ですけど、やっぱり主人公目線でヒロインの幸せをはかっていて、ヒロインの気持ちは置き去りの展開になっていますね。俺って奴は!
ヒロインの強がり発言ってことにして、本音を聞こうと努力するシーン入れて、あれ?結末変わってしまいそう。まあ、いいか。あと二話だもんね。九話目は大きく修正、十話目はもう書き直しましょう。皆さん、次の更新は更に遅れそうです。すみません。いざ投稿
「お知らせします」
はい、来ましたよ。
「12名の参加者がイベントクリアしました。○○、○○、ーーー○○を開放します」
うわあ、一気に来たな。三日目ともなると、読者さんも更新時間を読むようになって制限時間内に感想入れやすいかもって誰かが言っていたけど、本当にそうなったね。おめでとうございます。見知らぬ、いや見てるんだろうけどね、お仲間のクリアを心の片隅で喜びます。心の真ん中は嫉妬に汚染されていますけどね。
今日は最終日、完結おめでとうの言葉が欲しい俺。絶好のチャンスを逃してたまるか。嫉妬してないで書け!なーんて考えても書けないのは知ってるんだ。俺ってば胸に黒いモヤモヤあると文章に出ちゃうのだ。こんなときは天文部を読むに限る!
いやあ、面白い。いつの間にか夢中になってました。感想入れられないのが残念だけど、イベント終わって普通に投稿されたら、そっちに感想入れるんだ。たくさんの感想に埋もれる一つの感想。それでも書きたい、伝えたいこの興奮。やっぱり二人目のクリアはこのお方でした。つまり書籍化作家さんが書いた現代部活ものって事ね。嫉妬より納得。むしろ誇らしいくらい。俺って見る目あるじゃんってね。浄化完了。さあ、九話目の修正だ。
結局、九話目はほとんど書き直した。途中から頭の中に文章が溢れてきて、夢中で打ち込んだ。パッドモドカシイ。書けたけれど、3800文字。ちょっと削れるレベルじゃなくなったなあ。何度も読み直して閃いた。このふんわりとしたベッドシーンはカットして、結ばれましたっぽい描写にしよう。うし!一行に纏まった。俺、天才?ニマニマしながらイベントページのタブに戻る。
天文部を読了した時のままになってたからマイページに戻ると、赤い文字が感想ページの更新を伝えてくる。
『イベント中で感想欄荒れてきてる中でここの感想欄は充実してて見物でした。毒コメに負けずに頑張って下さい』
『作者同士のやり取りが楽しくて、今まで感想入れたら邪魔かな、と控えてましたが、毒感想に邪魔されるくらいなら、と思いお邪魔しました。と言っても何かアドバイス出来るわけでもなくて、すみません』
な、なんと!読者さんから2件届いていました!
うおおおおおお!!!嬉しいぞーーーーー!!!
ありがとう、ありがとう。頑張るよ。アドバイスなんていいのよ。感想欄しか読んでないかもしれないけど、いいのよ。応援してくれる気持ちが嬉しい!
テンション上がる~~~
パッドをタップする指が跳ねてます!興奮まるわかりの返信!笑うなら笑え。カッコつけるより嬉しさを伝えたい!
そして参加者からの感想にも返信。投稿遅くなったからかな。毒はなくて、いつもの方々ばっかりで、するする書けました。さあ、9話目を投稿だ。
「……」
放送はなかった。待った自分が空しいです。昼食にしましょうかね。
180㎝男は今日は背後からではなく、大ホールの中から現れました。待っててくれたみたい。今日は中華です。麻婆丼半人前と中華丼一人前食べたい俺と、中華丼半人前と麻婆丼一人前食べたい180㎝男、初めて意見が別れました。そして折れたのは俺。話し合っているうちに匂いにやられました。
大ホールには女神と娘さんのお姿が。「カレーマンこっちおいでよ」と明るく通る声で手招きされては断れません。女神の隣に娘さん、娘さんの隣に180㎝男、そしてその隣が俺です。失敗でした。女神は俺に話しかけるために必然的に大きな声、引いてる俺を笑う娘さんと180㎝男。クッ
食後はお茶を手に椅子を丸くあわせて会話を楽しみました。普通に話すのは平気なのだ。オバチャンパワーみたいなのを向けられるのが苦手なだけで。けれど和気あいあいタイムの果てに、
「行こうよー」
強引ながらも甘えたように誘う女神に、首がもげそうなくらいブンブンと横に振る俺。
「えー、せっかくホラーイベントに参加してるのに、このまま帰ったら勿体ないよお」
不満そうな女神。でもダメなものはダメです。この館に纏わる噂を確かめに行くのに俺を誘う女神と断る俺。噂がね、ちょっとホラーだったのです。いや、俺は別に怖がってるわけじゃない。ほら、更新がね。その上、その噂を裏付けるような噂が参加者の間で囁かれているとか。だーかーらー怖いっての!
「俺はまだ、書き終わってないんで」
これ以上は聞く耳持たずを示すために立ち上がる俺。そこに現れたのは紳士です。
「クリアおめでとう」と肩を叩かれました。ポカンとする俺、興奮する周りの方々。うん?いつの間にかまた人が集まって来てます。そしておめでとうと祝われるんだけど、え?館内放送あった?
「あれ、館内放送じゃないよ」
なんと!女神の説明によると、更新したタイミングでパソコンと連動したスピーカー(ボードに埋め込まれている)からお知らせが入るのだという。「ホラーだよねー」と締め括る女神。
「ええ。ホラーです。一人一人が別々のタイミングで人のクリアを聞かされる。嫉妬にかられ悪意に満ちた感想が、あちこちにばらまかれる。延々と」
紳士の声の深刻さが恐ろしくて背筋が震えた。と、それはさておきクリアですか。感想見たいです。さすがに女神も仕方ないと諦めてくれましたよ。というかね、ここにいる皆様、既に完結していらっしゃるそうで。十話目を書き直すという俺に驚いて、急かすように大ホールから追い出されました。
カッカッカッカッ甲高い音を響かせるハイヒール。大ホール前回廊からお部屋へ案内されてます。豪華な扉が並んでます。もしかしてクリアしたら客室を使わせて頂けるとか?期待の眼差しで質問しちゃう俺、無表情のまま首を振るお姉さん。回廊から案内してくれるだけだそうです。残念。小ホール前回廊が見えた辺りでスタッフ用の通路へ入り、少し歩いた所でいつものセリフ。
「こちらです」
あの~ここって、さっき女神が行きたがってた噂の場所に非常に近いんですけど……