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2.秒速で魔王軍の軍門に降りましたが、敵将は思いのほか美少女で、今後のラッキースケベに超絶期待を燃やします。

つい勢いだけで二話目を連日投稿です。本命の方の小説そっちのけで書いてしまいました。勢いで書いたので、全体的に適当な感じで仕上がっています。

よろしくお願いします。

「私はオストラントの魔王軍三大将が一人、メルクーリオ・エンドレスだ。人間、貴様の名は?」

「お、俺は藤崎雄二です」

「フジサ・キュージ?」

「いえ、切るところが違います。フジサキ・ユウジです」


 ていうかフジサ・キュージって何よ。なんかちょっとかっこいいんですけど。


「ちなみに麻篠高校二年です」

「肩書はどうでもいい。ユウジンとやら、私には貴様を一瞬で塵にする力がある」


 結局ちょっと名前間違えてるし。俺はあんたと友人ではないよ? 少なくとも、いきなり面と向かってお前を塵にできるとかのたまっている人とは友人になれる気がしないよ。


「それを踏まえた上で選ぶがいい。私と戦い果てるか、魔王軍の軍門に降り、この世界における情報を魔王軍に提供するか」


 えーとそれって、俺にあなたと戦うか、あなたの配下になるか選べってことか。


「ぜひ、あなた様の配下にしてください! なんでも教えますので命だけは助けてください!!」


 迷うまでもなく、速攻で土下座して懇願した。いや、だって目が合っただけで尿漏れしちゃうようなおっかない相手だぜ。よくわからないけど本能的な何かがこいつとは絶対に戦うなと必死で叫んでいる!


「ほう、あっさりと魔王軍の軍門に降るのだな。貴様には人類の誇りとやらはないのか?」

「誇り? ナニソレ?」


 平々凡々と生きていた高校生にいったいどんな誇りがあるというんだろうか。そんなもん押入れの隅で埃被っちゃってるよ。


「まあいい。こちらとしては面倒がなくていい。では、貴様はこの世界で一番最初に魔王軍に降った人間という事になるな」


 え、ナニソレ。すごいかっこ悪いんですけど。そんなことで一番になりたくなかったよ。


「とりあえずこんなところまで来た目的を達成するためにも、基本情報が欲しいところだ。おいユウジン、この国の王は誰だ?」


 だから、俺はあんたの友人ではないんだが……。


「いませんよそんなの。この国は王政じゃないので」


 一応象徴として天皇陛下がいらっしゃるけれど、なんかこの人(?)が言ってる王とはたぶん違うし。


「王政じゃない? では、どのように国を治めているのだ?」

「それは国民が選挙で選んだ代表者たちが話し合って……総理大臣とかもいていろいろ議会と話し合って決めたり……」

「なんだその、国が停滞しそうな制度は」

「いや、一応うまく回ってるとは思いますけど」


 たぶん。俺は政治とかあんまり興味ないから、よくわからないけど。


「では文明はどの程度発展している? 軍の標準装備は?」

「文明はそこそこ発展しているんじゃないかな。軍の装備は……あ、うちの国って軍隊いないんだっけ」

「軍がない!? 馬鹿な! そんな国があるものか! 敵国が攻めてきたら何とする?」


 メルクーリオが驚愕の表情を浮かべた。


「えーと、まずは話し合って、それからアメリカ……同盟国が助けてくれるのかな?」

「何という腑抜けな……いや、国民である貴様を見ていればそれも納得か」


 なんかめちゃくちゃ失礼なこと言われたよね。今。


「まさか軍を持たずに存立している国があろうとは……」

「ああ、でも国防のための部隊はありますよ」

「なんだそれを早く言え。それがこの国の戦力であろう。して、その主力はなんだ? 騎馬か? それとも重装歩兵か?」

「えーと、歩兵……になるのかな」

「フッ……主力がただの歩兵とは。では魔術師の数は?」

「魔術師? そんなのいませんよ」

「魔術師がいない? この国は早晩滅ぶのではないか?」

「いやいやいや、大丈夫ですよ。この国はここ六十年くらい戦争も起きてないですし」

「平和ボケの末期症状ではないか。どうやら目的の国は、この国ではなかったかもしれないな」


 メルクーリオは呆れたような表情を浮かべた。


「まあいい、聞くだけではわからないこともある。自分の目で見て回ってみるか」


 そう言ってメルクーリオは部屋の窓を開け放ち、飛んでいこうとした。


「って、ちょっと待ったあああああ!」

「なんだいきなり?」

「その格好で外を出歩くのはマズいでしょう。というかここ二階。そこ窓。玄関違う」

「別にどこから出ようが私の勝手であろう。だが、この姿で人間の街を歩くのが得策ではないのは確かか。仕方ない」


 メルクーリオは何やら二三言小声でつぶやくと、瞬く間に体が紫色のダークな感じの光に包まれて、次の瞬間には鬼のような角と悪魔のような羽根が消え去り、ついでに常時纏っていた威圧的なオーラも消え去って――超絶可愛い美少女がそこにいた。


「えっと、メルクーリオさん?」

「なんだ? 人間の姿になってみたが、どこかおかしなところでもあるか?」

「いえ、素晴らしいと思います。リオたんって呼んでもいいですか?」

「却下する。よくわからんがその呼ばれ方は背筋に怖気が走る」

「そうですか。残念」


 本当に残念。目の前に出現した美少女はぶっちゃけ校内でも人気の高いうちのクラスのマドンナである佐倉さんに勝るとも劣らない。


「では、行くとするか」

「その前に着ているものを何とかした方が」

「そうか、戦闘装束で人間の街を歩くわけにはいかぬか」


 ああそれ戦闘装束だったんだ。黒いビキニアーマーっぽいものを身に着けていたが、夏場のビーチにいるとき並みの露出度なので、まさかそれが臨戦態勢だったとは思わなかった。そんなので敵の攻撃が防げるのか不明だが、相手が男ならあるいは露出された肌や胸の谷間に視線が吸い寄せられてしまい、ある意味厄介かもしれない。俺が敵なら見惚れてしまってろくに攻撃できないだろうから、そう考えるとむしろ効果的な戦闘装束なのかも。


「おい、何か衣服の参考になるようなものを持て」

「ではこれを」


 俺は机の写真立てに入れてあるクラスの集合写真をみせた。


「ほう、これは見事な絵だな」

「絵じゃなくて、写真ですよ。……ほら、この中で女の子が着ているような奴にしてはどうですか。若者が着る一般的な服ですので」

「なるほど。わかった」


 先ほどと同じように紫色の光を纏い、衣装を変化させていく。一瞬光の粒子になって衣装が消えて、全裸が拝めるのではと期待したが、紫色の光が濃すぎてよく見えなかった。悔しい。


 光が消えると今度は麻篠高校の制服に身を包んだ魔王軍三大将の一人が立っていた。

 思った通り制服姿のリオたんもかわゆいな。


「準備は整った。では、今度こそ行くとしよう」

「そうですね。お供します」

「いや、別にいらないんだが……」

「何言ってるんですか!? リオた……リオさんはこの国のこと何も知らないでしょう? 道知ってるんですか? お金は持ってるんですか? 俺といればいろいろ教えてあげられますよ?」

「それは……まあ、この国のことは何も知らないが。にしても貴様、先ほどはあれほど怯えていたのに、何故そこまで必死に私と共に行こうとするのだ? ……何か謀でもあるのか?」

「滅相もない。ただ一度でいいから、美少女と一緒に外を歩いて世のモテない男たちの羨望のまなざしを集めてみたいだけです」

「……小さい男だな。少しでも警戒した私が愚かだったようだ」

「あの、外に出たら手とかつないで貰ってもいいですか?」

「あまり調子に乗っていると消すぞ?」

「すみませんすみません調子乗ってましたすみません」


 勢いよく土下座して誠心誠意謝る。何なら頭を踏みつけていただいてもかまいません! その時はどうか素足でお願いします!


「まあ、貴様がついてくることは許可しよう。その代わり逐一有用な情報を提供するように」

「はい! もちろんです!」

「あと、外に出る前に着替えよ。見苦しい」

「あ……」


 リオさんが思いっきり俺の股間のシミを凝視していらっしゃる。これは恥ずかしい……。

 俺は急いで着替えを済ませた。


 そして俺は、魔王軍三大将が一角、メルクーリオ・エンドレス(リオたん)と黄昏時の街へと繰り出すのだった。

 


ここまでがあらすじに書いていた話になります。

次回はついに美少女とデート(?)の話です。

ちなみに次話投稿予定は不明です。すみませんm(__)m

できれば今週中に1話くらいは投稿しようとは思ってます。

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