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竜と少女の小さなお話

作者: 雅稜
掲載日:2015/07/07

拙く短い、ありきたりなお話ではありますが、お付き合いいただければと思います。

とある世界の、木々の深い森の中。苦しそうに呻いている大きな竜が一匹佇んでいた。


普段はとある山の霊峰に住み、下界に興味抱かなかった長生きの竜、余程の事がなければ動かない落ち着いた…悪く言えば、引きこもりがちな竜である。


ある日、いつものように起きると、自らの巣に置いてあったお宝が無くなっている事に気付き、錯乱。

盗んだのが人間だと知った時、一つの文明を壊滅寸前まで追いやるまで怒り狂い、暴虐の限りを尽くしてしまったのである。


そこへ、他国から遣わされたという、勇者と呼ばれる人間達を中心に巻き返され、致命傷は避けたものの襲撃は失敗。

決して少なくはない傷を負いながら、滅多に人が立ち寄る事のない森の中へ身を隠したのであった。


しかしそれも、時間の問題。すぐに人間達は他の生き物にはない持ち前の結束力を十全に振るい、自らの位置を探し当て、そして……。かの怪物は痛みと疲労感で霞んだ意識を辛うじて保ちながら、静かにその時を迎えようとしていた。




……いつから眠っていたのだろうか。




竜は差し込む太陽の光を瞼に浴びて、人の子供のように身を悶えながら目を覚ます。


ふと、身体の至る所に違和感を感じた。

それも、痛みとは別の、まるで何かに包まれているような感覚。

何なのかと見ようと、長く重い首を動かして見ると竜は少し、身体を震わせた。


身体中に白い布のようなものが巻かれていたのである。それも布の間と間の隙間が多く、結び方も少し解けかかっている。

お世辞にも丁寧な応急処置とは程遠い、いわばミイラでも作るのかという具合に酷いものであった。



ー早くこれを解いて我が巣へ戻り、態勢を立て直さねばー



暫く呆気に取られていた竜であったが、これは人間側が追う際の目印たる物なのではなかろうか…

そう思うがいなや、直ぐさま取り掛かろうと鋭利な腕の爪で切り裂こうと構えた時


一人の少女が水の入った桶を運んでくるのが目に入ったのであった


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