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始まりの御伽噺

 

 

 かつて、下房(しもうさ)の地を恐ろしい悪鬼が襲った。


 その悪鬼の気に触れた生者は驚くべき怪力と生命力とを授かる一方強暴で残忍な性格になり、果ては人畜を食い荒らす悪鬼の仲間へと変貌していくと言い、悪鬼の気に侵された死者は輪廻の巡りに身を委ねることも叶わず、鬼火を纏う亡者と成り果てた。


 その悪鬼は「(よこしま)なる気を放つもの」――即ち“邪気(じゃき)”と呼ばれるようになり、下房の地に恐怖を撒き散らした。


 そうして遂に下房の地が邪気の手に落ちようかという時、世に現れたるは霊験(れいげん)なる力宿す武器を携えし五人の武者と一人の(かんなぎ)


 神剣『闢陽(びゃくよう)』、神槍『禮歌(らいか)』、神弓『志津(しづ)』、神斧『曹恃(そうじ)』、そして神刀『正崇(まさたか)


 神器(しんき)と呼ばわるその五つの武器は真の使い手が持つことにより美しいを音色を放ち、重なり合う共鳴の音は邪気の力を大いに弱らせたという。


 五人の武者は激しい死闘の末邪気を追い詰め、最後に巫がその身に宿る霊力を持って此れを相馬の地に封じた。


 その後邪気は巫の一族がその封印を見守ることとなり、五人の武者はそれぞれ神器の守護者となって万に一つ邪気が蘇った時それを討ち果たすという役目を負った。


 六大家と呼ばれることとなったそれぞれの守り手の存在によって、下房の地に邪気の恐怖が蘇ることは無くなり、漸く訪れた安寧に人々は大いに浸った。


 そうしてやがて、誰もがその恐怖を忘れていった。






 それから数百年後。物語は動き出す――






 

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