My sister The High school girl
今回はグダグダしてます。
ごめんなさい。
ーーーーどこを歩こうとも、結局は俺が召喚され、召還した場所。
つまりは家から十分ほどの「西岡ビル」通称「幽霊ビル」ここに来てしまうのである。
事の発端は俺が9歳の時、先程も話題に上がった詩音…アリサ・詩音・スチュアートがこの廃棄ビルの4階部分に紅い鱗粉を見たというところから始まる。
最初は小学校単位の噂程度でしかなかったが、直後に行われた解体工事では不慮の事故が続き大問題となった。
その時に詩音の噂が議題にあがり、一時期街中の噂となった。
あの時には詩音のところには警官が何人も来て事情を聴いていたのを覚えている。
それ以来か…あいつが男嫌いになったのは…
そんなそれなりに俺の人生の歴史の一部を成す西岡ビル。
ここの前で俺は強烈な胸の痛みと目眩おもよおしつつこの世界から異世界に召喚された。
そして、俺は成す術もなく異世界からこの世界に召還された。
そんな因縁の場所
昔の俺からすれば少し気味の悪い場所でしかないだろうが今の俺にとっては違う。
濃厚な魔力が溜まり、それが複雑な魔術を描いてしまっている。
目眩を覚えるほどの混沌とした魔力
本来は碧く美しいはずの魔力もこの中においては黒く濁った穢れでしかない…
ここに魔術を用いれる者が踏み込めば魔力神経は穢れに侵され魔術を使えなくなるどころか人でさえなくなるであろう…
こんなところでなぜ召喚が行えたのか甚だ不思議である
きっとこの穢れが無作為に作ってしまった魔法陣のなかに異世界を再び舞い戻るヒントがあると踏んでいたがそろそろ調べ尽くすというのに一向に見つからない。
正直俺は失意の海に浮遊していた。
ーーーー午後三時
俺は穢れ溜まりに向けていた右腕を無作為に鉄骨に叩きつけた。
大きな音を立てて凹む鉄骨にさらに苛立ちを募らせる。
結論から言えばこの穢れ溜まりの中には大まかに4つの魔術と2つの魔法が混在していた。
どれも人が作ったにはザラで、超自然的無作為に作られてしまったとしか思えない。
結論から言えばハズレだったのだ。
これで異世界につながるヒントは完全に絶たれた。
悲しみよりも虚しさが俺の胸を包み込む。
俺はもう普通の一介の人間としてしか生きて行くことは叶わない。
騎士には戻れないのだと…
不思議と涙は出ない。
なんだか、心の何処かではわかっていたのだ。
リオを失ったあの日あの夜から…
…俺の時計は今だ止まったままだった。
穢れた暗黒の世界で俺は楽園を失い、戻ってきた世界も漆黒で前に進もうとしても前がどっちだが知れたもんじゃない。
「ガウェイン…お前の言う通りかもな…俺はピエロにしかなれないらしい…」
俺は自嘲気味に嗤った。
やる気のない体を引きずって商店街に繰り出す。
…パンと…なんだったけ?
なんか牛乳な気がする。
多分そうだ。
まともに働かないNEETな頭脳をぐるぐると回しながら地元のスーパー西岡まで歩く。
ちなみに、さっきのビルとこのスーパーはどちらも西岡さんがオーナーである(噂)
…西岡さん誰だよ…
鮮魚コーナーのガチムチなお兄さんを完璧にスルーし、牛乳と6枚切りのパンを掴む。
さらに、先日握りつぶしてしまった(力加減がわからなかったのである)箸を買うために食品コーナーを抜けよくわからん雑貨コーナーに入ると青い適当な箸を掴んでレジに持っていく。
レジのお姉さんに「お客様、ポイントカードはお持ちでしょうか?」
「いや、ないっす」
「ただいまポイント二倍で無料でお作りできますが…」
「いや、いいっす」
「本当によろしいですか?」
「あ、はい」
「本当によろしいですか?」
「は、はい」
「本当によろしいですか?」
「もう好きに作ってください…」
「お客様ありがとうございます」
そんなこんなで西岡グループ加盟店で使えるポイントカードを手に入れた俺であったがおそらく二度と使うことはないだろう…
そんなこんなで気づけば6時
日は落ち、暗さが目立つようになってきた。
何の気なしにケータイを見ると
受信58件
着信158件
…どこのヤンデレ彼女だよ…愛されすぎだろ…
メールボックスを開け、最新のメールを見てみると
「電話出ろ コロス」
ヤンデレ彼女というよりは893な方なのかな?
893な方にあったことがないからわかんないけど…
俺は一抹の不安を抱えながらさっさと帰るために近道することを決め、フラフラと歩き始めた。
ーーーー歓楽街
歩き出して数分。
駅の裏側にある歓楽街…今は廃れてしまいBARや居酒屋、クラブもどきしか軒を連ねていないが昔は活気があったらしい
まだ開店前か開店して少ししか経っていない道を歩く。
客引きの姿はなく、まだ本領発揮というわけではないらしい。
そんな中、異世界で鍛えられた耳がある音を拾う。
「やめてよっ…離してっ…いやっ」
進んでいた足は止まり、声のする方向を見ると歓楽街から一歩外に逸れた道の方からの聞こえるらしい。
今までの俺であれば知らないふりをして歩みを加速させるだろうし、関わろうとも思わないだろう。
しかし、今の俺は違う。
気に食わないのだ
俺がこんな世界でのうのうと生きているのが
腹が立つのだ
リオを救えなかったことが
苛立つのだ
知らない人間だとしても女が傷つけられるのは頂けない。
ここで逃げたらリオに顔向け出来ないし、頬を引っ叩かれて人生やり直し宣告を食らうこと間違いなしだろう
それは本当に…情けない…
俺は路地に歩き出す。
その時なぜか頬の笑みが消えなかった。
ーーーー歓楽街→高架下トンネル
俺が数百m歩いて行くと高架下のいかにも怪しげなトンネルがあった。
道から見えるところには四人の男と一人の女子高生がいた。
彼女を取り囲むように四人の男が立っている。
「キェーーー‼︎こんなところをほっつき歩くなんて警戒心薄すぎるゼェお嬢さんよォォォ」
「そ、そうだブヒ…これはおれだちに狙ってくだざいど言っでるのど、おんなじだじ」
「ヒョヒョヒョヒョヒョその通りザマス‼︎」
「激しく同意だよベイビー…」
「そ、そんなことないし‼︎近寄らないでよっ‼︎」
「大丈夫だよ、セニョリータ。痛いことなんてしないさ、気持ちいいことだよ。ね?ベイビー達」
「キェーーー‼︎その通りだぜェ‼︎」
「ヒョヒョヒョ‼︎」
「ブヒヒw」
「い、いやぁ…」
モヒカン七色の世紀末と骨川さんちのお母様と飛べない豚とお金のなさそうな花輪くんだった。
さすがの俺も声が出ない。
人生で初めてここまでドン引きしたかもしれない。
豚が俺の存在に気づく
「お、おまえ誰だブヒ‼︎」
女子高生を含む残りの四人が俺を見る。
「キェーーー‼︎てめぇ俺たちになんか文句でもあるのかァァ⁉︎」
「そう叫ぶなよベイビー…君はここに何しに来たんだい?ボーイ?」
モヒカンと花輪くんが喋る。
「え?あ、そ、その子…解放してあげようぜ?もう警察は呼んだからさ?お前らも捕まりたくないだろ?」
嘘っぱち
突然すぎて警察呼ぶ余裕もなかった。
「ヒョッ‼︎な、なんてことをするザマス‼︎」
「キェーーー‼︎こいつ俺たちに喧嘩売るつもりってかァァ⁉︎」
「はぁ、君のせいで興が削がれてしまったよボーイ…この落とし前どうつけてくれるんだいボーイ?」
あきれてものも言えない
女の子を男で囲んでそんなセリフを吐ける奴の心持ちがが理解できない
俺には力がある。
リオは言うだろう
『こんな時に力を使わないでいつ使うの?あなたの力は守るべきものを守るための剣でしょ?違う?』
その通りだよリオ
リオの言う言葉は正しい
大いなる力を正しく用いる
これこそ強者の真の姿だろう…。
俺は真顔で言う。
「来いよアグネス。相手してやるよ」
「キェーーー‼︎」
「ブヒーーッ‼︎」
「ヒョヒョヒョwww」
ひとまず三人が俺の方に向かってくる。
モヒカンの振り下ろされたバットを半身を逸らして避け、手首と、膝に手刀を一撃ずつ見舞ってやる
後ろにいる豚は抜かれた右の拳を左腕で外側に逸らし、半回転からの肘を鳩尾にぶち込む。
腹の脂肪が波紋を描いた気がした。
最後はスネ夫ママ
右手に持つナイフを向けられる前に、手首を掴んで捻り落とさせる。
腕をねじられ姿勢が下がり膝をついたスネ夫ママの顎に膝を打ち込めば瞳が上にあがり、白目を剥いてはい、おしまい。
「キェーーー‼︎」
モヒカンが再度襲ってくるも振り下ろさんとする手首にクロスさせた自分の両手首を当てて振り下ろす力を抑え、拳を一回りさせると、バットは手を離れ、空中でモヒカンは一回転半を決め、無様に顔面着地そんな彼の頭スレスレにバットを振り下ろして、睨みつける今度こそ本当の終わり。
華麗に俊敏に制圧を終えた俺は花輪くんに向き直る。
彼は尻餅を付いて震えていた
どうやら敵意はもうないらしい。
女子高生が俺の元まで駆けてくる。
「ふんすっ‼︎」
「ヒギィッ‼︎」
女子高生が花輪くんの股間を踏み潰す。
白目を剥いて失禁する彼
今のはさすがの俺も同情したい。
その後のことは語るべくもなく、彼女が警察を呼び、四人は婦女暴行未遂で逮捕。
俺も同行を求められ、警察署に出頭。
駆けつけた女子高生の両親と弟くんに感謝感激をされ気まずい中事情を聞かれ、解散する時にはすでに22時を回ったところだった。
特に語るべきこともない。
カツ丼食ってないし…。
ケータイを見たくない。
今俺の思考を支配するのはそのことのみである。
受信ボックスは俺の帰りを急かすメールで一杯だろう…
心なしか重く感じる警察署の扉を開くとまだ肌寒さの残る風が吹き付けてきた。
「遅いよ、不良弟」
…そこには納入したばかりのグリーンの小型車に寄りかかってお汁粉を飲む俺の姉…美咲が立っていた。




