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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第一編〜五章〜
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風邪 #3

姉ちゃんが部屋から出ていった後、特にすることもないので、ベットに包まりながら、ボーッとしていた。熱があるのだから、身体を温めておかなければならない。

そういえば、熱があるときは身体を温めれば良いのだとよく聞くが、何か理由があるのだろうか。温めることで、免疫細胞とかがより動くようになったりするのだろうか。

それにしても暇である。

姉ちゃんが側にいてくれたなら、話相手になってくれていただろう。

本音を言えば、姉ちゃんには、隣にいてほしい。その方が、落ち着くし、何かあった時は対処してくれる。

だけど、そんなことは頼めない。今だって、俺のために、何かを頑張ってくれていることだろう。

「あ、そうだ……。携帯だ」

姉ちゃんがいてくれてたから、枕元に携帯を置いていたことを、すっかり忘れていた。

「…………っと」

携帯のホーム画面には、新着メール四件という文字が映し出されていた。

誰からなのかを確認すると、順に、薫、心愛、葵、佳奈の順番。

薫達からくるのは分かる。姉ちゃんが薫に伝えて、学校に着いてから、その事を、心愛と葵に伝えたのだろう。

……佳奈から……。

今の時間はまだ九時半。一時間目の授業が、そろそろ終わろうとしている時間だ。

佳奈は、何か俺に用事があって俺達のクラスに来たが、肝心の俺がいないから、薫達に、その理由を聞いて、心配してメールを送ってくれたのだろう。というか、校内での携帯電話の使用は、駄目だったような気がするが…………。

「心配かけてるなぁ…………」

まさか、自分が風邪で倒れることになるとは思ってなかった。やっぱり、佳奈の家に泊まった時、ねれなかったのが響いたのかもしれない。あの時は、雨にも濡れたわけだし。

まぁ、引いてしまったものは仕方ないし、治すことに専念しよう。明日も休む、なんてことになったりしたら、もっと心配をかけてしまう。それだけは、避けたい。

「はぁ…………」

取り敢えず、寝よう。風邪を治すには、寝たり食べたりするのが、一番だと思うし。今、姉ちゃんは俺のために頑張ってくれてるわけだし、俺はその間に寝ておくのが、先決だろう。

……あ、姉ちゃん、料理出来たっけ……。

眠りに落ちる前、俺は、ちょっと不吉なことを思い出してしまった。


護がもう一度眠りについた頃、沙耶は、ソファでゴロンと横になっていた。

「うーん…………」

風邪に効くご飯を作ってあげたい。身体を温めることが出来て、栄養もあって、炎症を抑えれて、消化が良くて、それであって美味しいものを作ることが出来れば、それが一番良い。

「料理か…………」

沙耶は、あまり料理をしない。というか、ほとんどやったことが無いのだ。やった記憶があるのは、中学や高校での調理実習の時くらい。

だからといって、料理が出来ないというわけではない。母や護が料理をしている姿を後ろから見ていたりもしたし、何たって、二十歳になってから、つい最近この家に戻ってくるまでの間、一人暮らしをしていたのだ。

だから、料理は出来る。ただ、誰かの為に料理をするというのが始めてで、少し不安なのだ。



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