表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第一編〜一章〜
8/384

青春部への誘い


 心愛の家に行ってから数日、俺、心愛、薫の三人は、一緒に登校するようになっていた。


 心愛は前よりも増して元気になり、そのおかげ(?)で薫、葵、心愛の三人は仲良くなった。


 薫と葵は、ライバルがいることには気付いていたらしいが、心愛は知らなかった。しかし、心愛はそれを起点と考えたのだろう。朝に「あたし達友達になろうよっ!」と言い、その日の放課後には、もう仲良くなっていたのだ。


 いや、女の子は分からないものである。


 「護。アンタ、部活は入ってないよね?」


 心愛がそう尋ねてくる。


 「入ってないよ。けど、それがどうしたんだ? 」

 「それについては葵から」


 心愛は葵に振る。


 「この学校には、青春部なるものがあるらしいのです。それで私達三人とその部活に入ろうかなぁって思ったんです」


 (なんだそれ)


 「その青春部ってのはなにをする部活なんだ? 」

 「活動目的は、青春を謳歌する為に集まると書いてあります」

 「どんな部活だよ。良くそれで許可が下りたな」

 「平たく言うと、ただ集まって、喋ったりゲームしたりするみたいだけどね。あたしと葵で昨日行ってみたんだよ」


 心愛がそういう。


 「家に帰っても暇だったし、まぁ良いよ。その部活に入っても」


 何か特別なことをする必要がない。いまいちよく分かっていないが、拒否する理由はない。入る理由もないわけではあるが。


 俺がそう言うと、隣で聞いていた薫が何かに気付いたようで。


 「ちょっと待ってよ! それだったらあたしはどうなるのよ! あたしもうすでに部活入ってんだけど」

 「それなら、別に入らなくても良いんじゃない?薫は護と家近いんだし」

 「それとこれは違うでしょ! あたしだって護と一緒に部活がしたくて、中学の時から誘ったりしていたりしたんだから! 」

 「それに関しては大丈夫ですよ、薫。青春部は兼部ができるから」


 葵がそう提案する。


 「でも、ほぼ毎日あるんだけど……………………」


 薫は腕を組み考え始め。


 「明日までに考えるよ。それでも良いでしょ。心愛。葵」

 「私はそれでも良いです」

 「あたしもそれで良いよ」

 「ん。ありがと。それじゃ部活行ってくるから」


 薫は煮え切らない表情をしながら、部活へと向かった。


 「で、その青春部は、週何日くらいの活動があんの? 」

 「基本、毎日あるとは聞きました」

 「週末には、メンバー全員で遊びに行ったりするとも聞いたよ」

 「そうなのか……。それ、薫にとったらきついんじゃないか?」


 俺は薫のことを考えながら。


 「あいつはさ、昔からハンドボール頑張ってたんだよ。兼部も、もしかしたら大変だと思う」

 「もし、薫が無理だと言うなら、私達は青春部には入りません。その時にまた考えますよ。心愛も同じ考えですよね」

 「……………………そうだね。三人一緒じゃないと意味ないしね」

 「そうだったら、薫も喜ぶかな」


 話も一段落したところで時計を見てみると、まだ完全下校時刻まで時間があった。


 「まだ時間があるし、一回その部活見に行こうよ」

 「良いよ」

 「それなら行きましょうか」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ