表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
378/384

お祭り気分 #7


「ちょっと、薫?いつまで喋ってるのよ」

「ごめんごめん。久しぶりだったからさ」


心愛は、接客中に喋りこんでしまった薫を窘める。


「せっかく変わってあげたんだから、ちゃんとして」

「怒らないでよねー」

「はいはい。それで?久しぶりって言ってたけど」

「雪菜ちゃんが来てたからね」

「え?雪菜が……?」

「うん」


洗い物をしていた手を止め、薫に目をやる。


七夕パーティの時以来だろうか、高校が違うこともあって、なかなか会う機会はなかった。連絡先は交換していたし、ちょくちょくやり取りはしていたが、時間を合わせて会うことまではなかなか。


「薫でも久しぶりなんだ」

「どういうこと?」

「幼馴染同士でしょ? 護の」

「それはそうだけど、結構遠いから、そんなに会ってるわけじゃないよ。お互いの用事もあるしね」

「そ」

「直接会う必要もないでしょ? このご時世」

「それもそうね」


 アプリを使えばすぐに連絡を取り合うことが出来るし、ビデオ通話で、会わなくても相手の顔を見ながら話すことが出来る。電話があまり好きじゃない雪菜とすることはあまりないが、心愛はよく使っている。


「成宮さーん、安田さーん、二人とも休憩いってきていいよー」

「分かった、ありがとう」

「はーい。行ってくるー」

「どーぞー」


 休憩から戻ってきたクラスメイトとバトンタッチ。休憩が終わるとまたここに戻ってこないといけない。他のクラスの出し物をゆっくり見て回ってる時間はないが、それは皆同じ。シフトを決めて、順番に回している。


「じゃ、心愛。行くよ」

「あ、ちょっと待ちなさいよ!! 引っ張るなって!」



「ん…………? 心愛? 薫?」

「こんにちは〜。お疲れ様です」

「ん」


 薫に半ば無理やり連れてこられた先は、青春部の部室。教室は全て喫茶に使ってしまっているため、更衣等、休憩は各自自分達の好きな場所で、ということになっている。


「どうしたの…………? クラスの方は」

「休憩です!」

「ん、分かった」


 部屋の隅に二人で並び、着替えを始める。心愛が着ているのはバイト先のファミレスの制服であり、服装的には問題なく、むしろ着たままの方が出し物の宣伝にもなる。


 が。


(ちょっと恥ずかしいし……)


 クラスメイトだけならまだしも、不特定多数の人に見られるというのは嫌だ。スカートも少し短い。


「二人とも」

「どうしました?」

「護がきたら、どうするの……?」

「「へ……………………?」」


 二人で同じ反応をしてしまう。


「休憩でしょ……? 二人は。護もまだだと思うし……、そのうち、くる…………かも?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ