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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
364/384

ぶんかさいっ!! #5




 (ふーん…………?)


 叶は、護の反応に疑問を抱く。


 高坂悠樹。彼女は叶のクラスメイトでもあり、護が在籍している青春部の部員でもある。普段の悠樹の言動から考えて、叶が悠樹のクラスメイトだということを護は知らないはずだ。だからこそ、自分が悠樹の名前を出したことに対して驚いたのかもしれない。


 (でもでも)


 叶は、先に妹である蜜柑の名前を持ってきた。自分と妹が護の中でリンクしていなかったとしても、反応を示すならこちらではないだろうか。


 蜜柑に対して、さほど興味がなかった?


 なら、悠樹には?


 部員としての関係性か、はたまた友達か。


 (ま、いっか)


 考えても仕方がない。


 叶自身、クラスメイトでもあるので悠樹のことは知っているが、友達というわけでもなく、知らないことの方がいいだろう。自分と悠樹の関係は所詮、その程度のものだ。なので、護の反応に関しても、こうだ、と決めつけることは出来ない。


 悠樹に尋ねる? 護本人に? 妹である蜜柑に?


 やめておこう。


 詮索することは、叶の趣味ではない。こそこそとするのも、あまり好きではない。気にはなるが、悠樹と護がどのような関係であってもそれは叶には関係がないし、知ったところでどうしようもないことだ。


 「今日から三日間、がんばろっ」

 「は、はい」


 この話題はここで終わりだ。文化祭。楽しむべきものを楽しもう。


 (もったいないからさ)



 「く、くちゅんっ!」

 「びっくりした〜。斎藤さん、大丈夫??」


 護達の教室、文化祭の最終準備をおこなっているその場所で、斎藤蜜柑が、大きなくしゃみをした。


 「う……………………」


 その突然の音に、横で一緒に準備をしていた心愛や教室内にいたクラスメイトが一斉に、音の鳴るほうへ視線を向けた。


 (恥ずかしい)


 苦手だ。こういうのは。注目を浴びるのは好きではない。嫌いだ。


 「風邪?」

 「ううん、ありがとう、成宮さん」

 「そう? なら良かったわ。このタイミングで風邪とかだと、大変だしね」

 「うん。お姉ちゃんがね、わたしの話してるんだと思う。多分」


 (うん、絶対に)


 「お姉ちゃん? へぇー、お姉ちゃんいるんだ」

 「う、うん。一応、生徒会にいるんだけど」

 「あ、そういえばそうね」

 「知ってる、の?」

 「まぁ、青春部には生徒会長がいるからね」

 「たまには生徒会の話題もでる、と……」

 「そうね」

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