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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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ぶんかさいっ!! #3



 (お友達、ですか……)


 友達といえば、葵も含め青春部のメンバー全てが友達、ということになる。護との関係性を問われた場合、それは友達といえば友達であることに間違いはないのだが。


 (それで終わるつもりは毛頭ありません)


 当然だ。あの日、護に告白をした意味。護からの返答を待っている今、小さな関係で終わらせるわけにはいかない。


 全員が、そうだ。雪菜がどう思っているのか、この短期間の間で本心を理解することは難しいが、お友達、というものの言外の意味を勘ぐることは簡単である。


 「葵ちゃんは、護君とどういう関係、なの、かな…………? 一緒に登校しているみたいだけど」

 「雪菜さんと同じです」

 「え…………?」

 「お友達、ということです」

 「そう、なんだ」

 「えぇ、そういうことです」


 葵はあえて、同じ解答を返す。


 「それじゃ、あたし達行きますね」

 「あー、引き止めてごめんね〜。始まるの楽しみにしてる」

 「ん、私も。一番に行く」

 「あたしも雪菜と一緒に行くわ」

 「それではまた。お待ちしています」


 雪菜と魅散と別れ、葵達三人は校舎内に。時間は七時半。文化祭開始までにはまだ、一時間以上も時間がある。それなのにもう校舎内は溢れかえっている。人をかきわけるように、中に進んでいく。


 (熱心ですね、皆さん)


 委員長でもあり実行委員でもある葵が抱く感想ではないが、葵は思わずこぼしてしまう。


 御崎高校の文化祭。中学校とも共同で行われるもの。大学単体で行われる文化祭よりも当然パフォーマンスは落ちるが、一大イベントである。生徒会も広告を出し、市全体としてもかなり盛り上げている。高校や大学は、この御崎市を代表する建物でもある。市長などの立場がある人々が来る可能性もあると、葵は聞いている。生徒会長の佳奈にも確認したが、可能性としては半分らしい。生徒会としても、詳しいことは言えないし当然までは分からないとのこと。


 葵や護は生徒会役員ではないが、実行委員をやっている以上、イベント事に関してはそれに近しい立場にはなる。


 「なんかごめんねー。葵」

 「なにがですか?」


 思考の外から、突然の謝罪が飛んでくる。


 「いやー、ちょっと騒がしいたのしい人だからさー。魅散さん」

 「薫が言うんかい」

 「あは。護に突っ込まれた」

 「あぁ。杏さんみたいな」

 「そそ。俺の姉ちゃんも」

 「そういうところではある意味、慣れてますよね。護くんは」

 「まぁまぁ」


 (なるほど、といったところですか)

 

 葵は一人で納得する。護の一面というのは、魅散や沙耶から影響を受けているものがあるわけだ。

 

 「それでは私達は生徒会室に行ってきます」

 「今から?」

 「あぁ、そうだな。当日だし」

 「そっかそっかー。じゃ、教室で待ってるね〜」

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