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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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揺らぐ気持ち #1



 文化祭が、後数日というところまで迫ってきた。授業は午前中で終了し、昼休み以降の全ての時間は文化祭準備に充てることが出来るようになっている。所謂、自由時間だ。


 俺達のクラスは喫茶店。大方、準備は終わっている。食材の確保や内装をどうするかなど、まだやることは残っているが時間がかかるわけではない。


 大変だったのは、衣装の方だ。文化祭予算の下限が一万円、上限が二万円。俺達のクラスは二万円で申請し、許可が下りた。だが、当然それだけで足りるわけではないし、予算の全てをメイド服、執事服に回せるわけではない。クラスメイトに大きな負担を強いることはいけないので、一人あたり五百円で徴収し、予算金額合計は四万円弱となった。


 執事服に関しては、咲夜さんから三着貸してもらうことになった。咲夜さんがいつも着用している物と同ブランドで、全部咲夜さんのお下がりらしい。それは良い素材を使っているようで、お下がりといっても古びたような感じは全くなく、新品のような見た目であった。何着も持っているということで貸してもらえた。「皆のためですから」と言って無料でということになったが、心苦しい気持ちはある。


 (ありがとうございます。咲夜さん)


 何度もお礼を言ったわけだが、心の中で再度。合宿の時もそうだったが、咲夜さんには頭が下がる思い。


 (頼ってばっかりだと、ダメだなぁ)


 「どうかしましたか? 護君」

 「ん……? 大丈夫」

 「そうですか。何かあったら言ってくださいね」


 今は、葵と二人で残っている予算のチェックをしているところ。


 「余るかもしれませんね」

 「そうだな。メイド服のレンタルも安く済んだし」

 「えぇ」


 用意したメイド服は五着。ウィッグ等も含めて二千円ほど。


 「護君がメイド服を着ない、というのは私にとって少々残念ですけど」

 「ま、まぁ、そこはね……、身長的なものもあるし」

 「そのうち、護君にも着てもらいますからね」

 「そのうち!?」

 「えぇ、そのうちです」

 「いいよ、俺は似合わないし」

 「私達が見たいので」


 (しれっと、達になってるし)


 葵の言葉からして、青春部の方で何かやらされるのか。


 メイド服に関しては、高身長用のものがなかったわけではないが、レンタル料金が他の物と比べて高かった。文化祭期間三日間、シフトを組んで回していくので俺だけが着るわけではないのだが、そこに無駄な予算は使わない、ということに決まった。


 俺としてはありがたかったが、結局、どこかで着ることになりそうだ。

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