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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
353/384

初めての…… #4


 答えるのが難しい質問である。どう解答すればいいのか。そして、これまでの二十年にも満たない人生の中で、合理化と呼べるような事柄があったかどうか。

 

 咲夜さんが挙げてくれた狐のそれが典型的な例である。もっともらしい理由をつけて、自己の正当化を図る。無意識的だったり、意識的だったり。そこは様々である。


 「まぁ、答える必要はないですよ。護様」

 「え…………?」

 「聞いてみただけですから。思い付かないのなら、仕方ありません」


 「それに」


 咲夜さんは、付け加える。


 「まだまだ残ってますからね。パフェが」

 「あ」


 今、俺達は、ファミレスにいる。そして目の前には、ドデカいパフェが。これをキチッと食べないと。


 「咲夜さん、早くないですか?」

 「そうですか? 逆に、護様がゆっくりなのでは?」

 「そ、それはあるかもしれませんね……」


 咲夜さんはいい感じの甘さだと言っていたが、ちょっと間を空けて食べてみても、甘さが強いように感じる。


 「苦手ではないんですけどね……」

 「ふむ…………。好きでもない、という感じですか」

 「ま、まぁ、そうですかね……」


 あまり好き嫌いはしないけれど、好んでは食べないっていうのはそこそこ。


 「薫様に作ってもらったりとか、よくあるのでは?」

 「お菓子ですか?」

 「えぇ」


 言われてみれば。


 「頻度はあまりですかね。イベントの時とかは作ってもらったりすることは多いですけどね。薫は知ってますから」

 「あぁ、それもそうですね。幼馴染ですものね」


 どちらかというと、姉ちゃんの方が多い。家を出てた間はそういうことは当然なかったが、俺が小学生の時とか、一、二週間に一回くらいのペースで作ってたような思い出がある。俺のためだったり、友達のためだったり。


 姉ちゃんがこっちに戻ってきてからはまだ作ってないようだけれど。休日とか、こっちが出かけている時に作ったりしてるのだろうか。


 頼んだら作ってくれるかな?



 「ごめんなさい。咲夜さん」

 「いえ、謝らなくていいですよ。護様」

 

 この場に誘ったのは咲夜である。付き合ってもらったわけだ。その礼でもある。護は全額払おうとしてくれたが。


 「ありがとうございます」

 「はい」


 ファミレスを出、再び駅前のベンチに戻ってくる。


 「今日は楽しかったです、護様。ありがとうございます」

 「こちらこそ。手伝ってもらいましたし」

 「お互い様、ですね」

 

 時間的には夕方。刻々と、夕空が頭上に広がってきている。この時間なら、もう戻っても大丈夫だろう。充分に休日を満喫した。佳奈のおかげであり、護のおかげでもある。


 「それでは護様、お疲れ様でした。時間があれば文化祭の方にも参加させていただきますので」

 「あはは……。それは恥ずかしいですね」

 「楽しみにしております。また」


 

 

 

 

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