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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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初めての…… #2

#2


 (何にしましょうか……)


 せっかくのチャンス(?)なので、咲夜は護を先導し、駅前のファミレスに入店した。護と二人きりになれる機会なんてほとんどないし、休日にこうして出歩く、といったこともそうである。特別なことが同時に起こっている。


 「ふむ……」


 (決められませんね……)


 外食する機会も。するにはするのだが、このような一般的、庶民的な飲食店は、使用したことがなかった。それに、咲夜であれば自分で料理することが出来るので尚更である。


 「やっぱり、護様が先に選んでください」

 「えぇ? 別にいいですけど」

 「お願いします」


 先に選びたいと言ってメニュー表を見てたわけだが、何も思いつかない。決めかねる。


 「うーん……。そうですねぇ……」

 

 (護様は何を選ぶのでしょうか)


 護は、デザートの一覧を見ている。それは、さっきまで咲夜が見ていたページでもある。まだ夕方だ。お腹が減っているわけではないので、必然的に選択肢は一つに絞られる。


 「俺は、葡萄のパフェにします」

 「葡萄ですか」


 良い選択である。葡萄は、夏から秋にかけてが旬で、十月が終わろうとしているがまだまだその季節である。


 「それでは、私もそれにします。店員さんを呼びましょう」

 「え…………? さては、咲夜さん。最初からそれが狙いでしたね?」

 「うふふ。バレましたか?」


 護の言う通りである。何も自分で選ぶのが面倒であったとか、このメニューの中に好きなものがなかったというわけではない。


 「二人仲良く一緒のものを。これも、良いことだと思います」

 「ま、まぁ……………………」



 「お待たせいたしましたー!」


 まんまと咲夜さんに乗せられた形になってしまったわけだが、咲夜は終始笑顔だ。この状況を楽しんでいる。まぁ、それならそれでいいかな、と思うわけだが。


 「ごゆっくりどうぞー!!」


 咲夜さんが俺と同じ商品を注文したので、当然、テーブルには同じ物が二つ置かれている。


 「で、デカいですね……………………。これは……」

 「そうですね……。どうしましょうか。護様……?」

 「俺に聞かれましても……。ま、まぁ、食べるしか」


 二人の目の前に広がるのは、巨大なパフェ。一つで二人分以上はあるような物量のパフェである。


 「あはは……」


 苦笑い。


 見た目に惹かれてそれだけで注文したわけだが、よく見ると「ジャンボ」と書かれている。値段も千五百円ほどで手頃な値段であり、今こうして運ばれてくるまで気が付かなかった。考えてみれば千五百円というのは高い。ジャンボだからこその値段であろう。失敗である。


 

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