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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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フェスティバル #4



 成美は、葵の話を静止する。


 仕方ない。正にその通りである。嫌だな、と思っても、かならず訪れてしまう。月日が流れる以上、当然のことだ。


 (次はあたしかなぁ…………)

 

 単純に考えればそう。悠樹も渚も、自らリーダーしようという気はないだろう。かくいう成美も絶対というわけでもないし、器があるとも、成美本人は思っていない。護や葵みたいにクラス委員長などの役職についたこともあまりない。


 リーダーなどになるということは、そこに責任が付いて回るということだ。リーダーじゃなければ責任が何もないとは言わないが、もちろんその度合いは違う。周りの見る目も違ってくる。


 これも、仕方ないことなのかもしれない。


 自分がいる、この居場所は、青春部だ。普通の部活ではない。重々承知している。佳奈がいるから成り立っているといっても過言ではない。護達が入って活気づきはしたが。


 「お姉ちゃん……?」

 「ううん。なんもないよ」

 「そう…………?」

 「うん」


 まだ考えることではない。少し、早い。今は優先されるべきことではないし、皆もそれは理解している。


 (楽しまなくちゃ)


 

 (そうですよね……)


 二学期だ。何度も言っているが、文化祭があって体育祭がある。次の部長のことや、杏と佳奈がいなくなった後のことを考える必要はない。そんなことに時間を使うのであれば、やはり部活でどのような活動を行うのかを考えるべきなのだ。少なくとも、葵はそう思う。


 「そういえば、去年、青春部は何をしたんですか? 文化祭で」

 「そうですよっ! 気になります」


 心愛が乗ってきてくれる。参考にすることが出来るはずだ。


 「んー……、何したっけ? ねぇ、悠樹?」

 「覚えてない……。そもそも……、私、何もやってないし………………」

 「あれ? そうだっけ?」

 「ん…………………………」

 「渚、覚えてる?」

 「どうだったかなぁ……。皆で一緒に見て回ったとか、そういう感じだったと思うんだけど」

 「あぁ……。そうだったねぇ」


 (ふむ……)


 去年は、部活としては何も動かなかったということ。杏がいて成美がいてそういう結果になるとは思えないが、本人達が記憶してない以上、何もしてないのだろう。


 (不思議、です……)


 今の成美や杏を見ていると、それは考えにくい。自分達を、この青春部を引っ張っている二人が何もしなかったというのは。


 「だからこそ、今年はきちんと、ね?」

 「うん、そうだね」

 「頑張りましょう」

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