表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
331/384

フェスティバル #3



 今日も今日とて、全員集まらない。生徒会や部活の部長はこの時期忙しいので、当然といえば当然だ。


 ということで、佳奈と杏先輩はいない。会議がはやく終われば部室に顔を出すと言っていたらしいが、多分無理だろう。今日は心愛もいない。アルバイトがある。心愛のバイトはファミレスのウェイトレスで、心愛がいる時に何度か足を運んだこともある。


 あべこべ喫茶。喫茶の部分だけとりあげれば、心愛のバイト先の制服の雰囲気もいいかもしれないが、メイドかと言われればそれは違うので。そもそも心愛は女の子なので、接客をするとなると、執事の方になる。


 悠樹は、いつも通り俺の横に座っている。今日は手芸ではなく読書。ブックカバーをかけているためどんな本を読んでるのかは分からないが、奴隷やら殺人やらなんやらと、殺伐とした単語が見える。


 「……………………読む?」

 「いえ。いいです」

 「ん……」


 本はたまに読むが、だいたい文庫サイズのもの。ハードカバーとかその類の物はあまり読まないし、文庫サイズであっても四百五百もページ数があるような本は読まない。悠樹が今読んでるのは、まさにそれだ。見ただけで、気が湧いてこない。


 何をしようか。他の部活と違って、何か明確な目的があるかもしれない。杏先輩は「あるよ」と言いそうだが、目に見えるものかと言われれば、俺はそうじゃないように思う。まぁ、何度も言うが、この自由がいいところではあるが。


 「今日は三年生方がいないですね……」

 「そういえばそうだねぇ」


 言われてみればそうだ。悲しいことであるが、そのうちこれが常になってしまう。杏先輩と佳奈の卒業はもう近い。あと半年程度だ。年度が代われば一つ上がり自分達が二年になって、悠樹達が三年になるわけだが……。


 「来年、どうなるのかな……」


 渚先輩が、ふと声を漏らす。


 「そうだねぇ」

 

 佳奈は生徒会長。杏先輩は部長。この青春部を引っ張っている二人が、一緒にいなくなる。佳奈がいる間はいいものの、文化祭、体育祭が終われば、生徒会長の任期満了に伴う選挙もある。


 「来年というよりかは……」

 「ま、この話はやめましょ。仕方ないよ、こんな話しても」


 成美が葵の話をとめる。どうやら葵は、俺と同じようなことを思っているらしい。


 成美の言う通り、仕方ないといえば仕方ないので、考えるのもやめておこう。



 





 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ