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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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フェスティバル #1



 「さてさて…………」


 文化祭のクラスの催し物だが、葵達との話し合いやホームルームでの協議の結果、「あべこべ喫茶」になった。


 あべこべ喫茶。


 男は女装し、女は男装する。単純にいえばそうだし、それ以外の何でもない。


 成美の意見を参考にした。そのままこれに決まってしまうとは思ってなかったが、案外受けがよかった。まぁ、全会一致で決まったので文句無し。反対意見はなかった。合った方がよかったんだが、それは仕方ない。


 俺らのクラスは三八人。女子の方が多いから成美のところみたいになってしまうが、あそこのクラスの男は皆裏方に回ったらしい。でも、俺らはそうはいかないようで、俺は前に出ないといけないとかなんとか。


 (似合わんだろ……)


 この提案をした時に薫や心愛が乗ってくると思ったがまさにその通り。身長がもう少し小さいならともかく、俺は百八十近くはある。正確な数字までは覚えてないが。低ければ似合うというわけでもないが、女装なんてしたことがないし分からない。


 まずそもそも、女装をするというそのハードルが高い。この高校の制服とか私服ならまだしも、そうではない。メイド服、だ。普通に考えて着る機会もないし、見る機会すらほとんどない。そういうお店にはいかないし。


 「いいんじゃないのー。宮永っち」

 「しーちゃん、人ごとだと思って……」


 黒板に書かれている文字を消し終わったシーちゃんが、こっちに向かって歩いてくる。


 今日の日直は俺としーちゃん。教室内のチェック、放課後教室の鍵をしめるのも、日直の役割だ。まぁ、それはクラス委員長でもいい気もするが、そうなると毎日毎日最後まで見ないといけないことになるから、それはそれで面倒。


 「にししししー。別に嫌ではないでしょ? 宮永っち」

 「まぁ……、そうだが」

 「一回切りだしさー。ね?」

 「そういうしーちゃんはどうするんだ? どっちやるんだ?」

 「んー……。どうだろうねぇ……? 羚君次第かな」

 「そっか。決めたら俺か葵に伝えてくれよ」

 「うん。分かってる」


 最後のチェックをすませ、廊下へ。


 「忘れ物とか大丈夫か?」

 「問題ないよ。宮永っちはこのあと青春部かい?」

 「あぁ、そうだな」

 「ん。なら、鍵はあたしが返してくるよ」

 「サンキュー、助かる」

 「いいよー。それじゃ、また明日ね」

 「おぅ」



 

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