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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
328/384

再び #8



 (……………………)

 

 護が一気に落ち込むのが見てとれる。出来ることなら見せたいのは山々だが、悠樹は裏方を担当していたため、執事制服を着る機会はなかった。


 (ん……)


 あれから一年。


 文化祭というのは、いってしまえば面倒なものである。参加しないという選択肢を選ぶことは許されないからだ。暗黙の了解。何かしらの役職について、クラスや部活に貢献しなければならない。青春部は去年何もしなかったが。


 あまり馴れ合いは好きではない。一年前まではそうだった。皆に合わせるのも、それほど得意ではなかった。だから、楽しみ方は分からない。でも、護がいればそんなことはない。関係を考えてもそうだ。護がいればそれでいい。そこが一番重要なことである。


 「あ、あの時の服、まだ持ってたかも…………」

 「本、当……………………?」

 「私もまだ残してあると思う」


 着てみたいわけではない。だが、護が喜ぶのであれば、それらに包まれることは悪いことではない。これに関して自分の意は関係ない。


 「探しておくよ」

 「ん、ありがと……」

 「うんうん」



 「今日もお疲れ様ー」


 杏先輩と佳奈がいないので、挨拶をするのは成美。もう帰宅の時間だ。放課後は終わり。


 あの後の話題は、文化祭の続きと夏休みのこと。まぁ、夏休みといっても三分の一以上は皆と何かしらしていたからそれほど話すことがあるわけではなかったが、それはそれ。


 「悠樹、帰りますよ」

 「……………………?」


 編み物をやめて読書をしていた悠樹。チャイムの音に気付いていなかったようで、首を傾げながらこちらを見てくる。


 「もう終わりです」

 「…………ん」


 終了のチャイムが鳴ってなお校内に残ることは、あまり許されていない。片付けなどをさっさと終わらせて、早急に下校しなければ。これが運動部なら面倒だが、文化系は基本的にそんなことはない。特に俺らはそうだ。職員室にちゃんと鍵を返しにいくくらいだ。


 「じゃぁ帰るよ」

 「はい」


 部室の鍵を指でクルクル回しながら、成美達が俺と悠樹を待っている。悠樹は読んでいた本を鞄の中にしまおうとせず、手に持ったまま。読みながら帰るとのこと。途中までは一緒だから危なくないようにちゃんと見ておかないと


 

 


 

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