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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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二学期っ! #8


 「ふふふー」

 「どうかしましたか?」

 「なんでもないよー」


 久しぶりの護。護が隣にいる。護を独占出来ている。護成分を補給することが出来ている。そのせいか、テンションが上がってしまった。


 校内を歩いているだけ。それだけでもいい。外に出てしまえば一緒にいられる時間はそれほど長くはない。護は徒歩か自転車であるし、成美は電車通学だ。頼めば護なら駅まで着いてきてくれる可能性はあるが、流石に申し訳ない。


 御崎高校は中学もあり大学もある一貫校である。同じ敷地にあるので、大人びた大学生ともまだ少し幼い中学生とも触れ合うことができる。


 文化祭だってそうだ。開催される日は同じで、どの催し物にも参加できるようになっている。主催する側は中学なら中学、高校なら高校だが。


 「あ、そうだ」

 「はい?」

 「護は、委員長だったよね? たしか」

 「えぇ。葵と一緒です」


 (ほほぅ)


 「なら、文化祭何するか考えないといけないねぇ」

 「なかなか決まらないです。心愛や薫とも一緒に考えて案を出しているんですが…………」

 「あ、そうなんだ」


 (そこは二人じゃないんだね)


 二人であろうとなかろうと、護は気にしないだろう。好意を知っていたとしても、委員長としての仕事がある。好きと仕事はまた別の話である。


 (でも)

 

 葵はどう思っているのだろうか。


 クラス全員に文化祭についての案を出す。それは委員長の仕事であり、友達であってもまずその案を出すというそれに参加する資格はないといってもいい。加えて、単純に考えて、葵からしてみれば護は何に興味を持っているのか、そういうことを自分だけが知れる機会でもある。葵はそのチャンスをみすみす逃したということになる。


 「薫は幼馴染みだから知ってるだろうけどねぇ」

 「薫がどうかしましたか?」

 「いいや、なんにも」


 (いけないいけない)


 葵はわかっているはずだ。頭が良いし、きちんと計算してるはずだ。


 (負けるつもりはないけどね……)


 あえて、心愛と薫を輪の中にいれた。作戦があるのだろう。


 「何かいいのは思いついた?」

 「そうですね……………………。演劇とかですかねぇ」

 「演劇かぁ……。難しいねぇ。あたし達もそういうのはしなかったし……」


 小道具や大道具、音響に照明。役をする以外にもやることはたくさんあるが、皆の意見を合わせるのは難しい。それならシンプルにやる方がいい。


 「ちなみに、成美のクラスは去年何したんですか?」

 「執事喫茶だったかな。女子が多いクラスだったからメイド喫茶でもって話になったんだけど、それだと安直すぎるからいっそのこと執事にしようって」

 

 

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