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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
311/384

二学期っ! #5

 (何がいいのかなぁ?)


 四人で考えている。本当なら、葵と護の二人だけで考えるもの。こうしてわざわざ混ぜてもらっている。案は絶対に出さないといけない。


 (あたしと心愛は特に)


 発言を後回しにしてしまうと案がなくなってしまう。先手を。


 「演劇とか……、いけるよね? 案としては」

 「うん、まぁ……そうだな」


 したことはない。心愛と葵がどうかはしらないが、護は薫と同じ。


 中学の頃から高校側の演劇の様子も少しは見ていた。ハンドボール部に入っていたしクラスでは他のことをしていたから、やりたいと思っていてもする機会はなかった。


 (難しいよねぇ……、やっぱり)


 中学の時は案としても一度も出なかった。当然、皆も理解しているということだ。高校生になったからといってもまだ一年も経っていない。そこが大きく変わることはない。


 「どうでしょうか。何人か演劇部の人もいるようですし、その方達に協力をしてもらえれば出来ないことはないかもしれませんよ。一つの案として必要だと私は思います」

 「ん、ありがとう」


 実際問題、クラスとしてやらないといけないことであったとしても演劇部などの場合。そちらが優先される。案が採用されたとしても、自分達が先頭に立ってやらないといけなくなる可能性も十分にある。


 「カフェ…………とかも当然、必要だよね。何をやるかは後で決めるとして」

 「そうですね」


 飲食に関しては、中学の方でも見られた光景だ。インパクトは薄いが、必要とされる企画の種類だ。


 「方向性決める感じにするか」

 「方向性、ですか? 護君」

 「そう。今みたいに、これがしたいってことじゃなくて、こういうことがしたいっていう。内容は後で考えるとして。ただ出すだけだったらかなり出るだろうが、まとまってないと出す時も困るだろうし」

 「それもそうですね」

 「じゃぁ、演劇とカフェに関してはそのままメモしておくわ」


 鞄の中をゴソゴソと。心愛がルーズリーフに小さく丸い文字を書いていく。


 「ありがと、心愛」

 「うん」


 (楽しくできたら……それだけで……………………)


 薫はそう思う。何をするか、この場にいてなんだが、薫はそこを気にしているわけではない。楽しくワイワイと、護と一緒に。それが出来るのであれば、何をしてもいい。演劇でもなんでも、これまでやったことないものだって問題なしだ。


 だがそれは薫個人の考えであり、特に護と葵は立場的になんでもいいとは言えないし、皆をまとめる必要がある。


 (それだけでいいよ、本当に……)


 今は、それだけでいい。


 それ以上のことを望むつもりはない。

 


 

 

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