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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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二学期っ! #4


 「さてと……………………」

 「ホームルームで案を出す前に少し固めたいのですが」

 「そうよねぇ……」

 「難しいわね」


 先生からは何をしてもいいと言われている。学校、来る人に対して迷惑をかけなければ、常識の範囲内であればなにをしてもいい。そう言われると逆に難しい。


 文化祭だ。高校生活は三年あるが、このメンバーで、このクラスで出来るのはたった一回だけだ。特別なものにしたい。そう思っているのはもちろん、俺だけではないはずだ。葵だって薫だって心愛だって。クラスメイト全員が思っているだろう。


 「皆は何したい?」

 「んー……………………」

 「難しい質問だねぇ」

 「……………………そうね……」


 まぁ、こういう答えが返ってくるのは分かっていた。俺だって、自分の質問に対する明確な答えは持ち合わせていない。


 何がしたい。自分がしたいこと、やりたいことを考えればいいだけなのに、上手くまとまらない。


 「簡単なものがいいよね」

 「簡単、ですか……?」

 「うん。あたしはそう思う。薫はどう?」

 「わいわいできたら問題ないと思うんだよね。簡単でも難しくても」

 「それはそうですね」

 「そっかー……」


 薫の言う通り。楽しむことが出来れば。それだけで十分だ。葵もそれに頷いている。


 「簡単な企画がいいのか? 心愛は」

 「んー、なんで言ったらいいのかな。あたし達まだ一年だし、レベルが高いやつは難しいかなって」

 「まぁ、それもそうだなぁ」


 高いというか、心愛が言おうとしていることは分かる。まだ一年。慣れていない。二学期になったばかりで、クラスメイト同士の関係性も強くはない。


 「そうかなぁ?」

 「目標は高くしておきましょう」

 「それもそうね」


  一致団結。信頼関係。まぁ、そういったものはこの文化祭で作っていけばいい。体育祭だってある。今この段階では出来てないが、この先、それを作れる機会はある。


 「そうだな」


 目標は高く。葵の言葉に納得する。低いハードルは設定すべきではない。案を出す前段階だ。何も深く考える必要はない。


 「火気厳禁……、ではないわよね? 教室って」

 「まぁ、そうだな。禁止はされてないぞ」


 業者の方から点検があるらしく、配慮はきちんとされている。それでも俺らが把握して、事故のないようにしなければならない。危険だと判断されれば学校に案を提出する段階で却下される。無駄な時間を作らないようにする必要がある。


 「案何個くらいに絞る?」

 「他の人からもホームルームの時に聞くから、こっちから提示するのは五つもあれば十分じゃない? あたしはそう思うけど」

 「心愛にさんせー」

 「はい。私も問題ないと思います」

 

 最低、一人一つずつ。


 




 

 

 

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