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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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二学期っ! #3


 「お昼だー、おひるだーー」


 大きく身体を伸ばす。待ちに待った昼休みの時間。


 二学期の初日ということもあり、今日はいつもより授業数が少ない。午前の授業数に変わりはないが、午後からは一つだけ。明日からは通常授業に戻るから今日だけ特別。


 (今日のお昼はメロンパンー)


 昼からの授業は一つだし、その後特に何か予定があるわけではない。心愛はそれほど食べるタイプではないから、メロンパン一つで足りる。


 「あ、そうだそうだ」


 忘れてた。メロンパンに気を取られていた。しなければならないことが一つある。


 「ねぇ、護」

 「食べながら考えるかー」

 「うん」


 文化祭。皆に案を出す前段階の準備。本当なら護と葵だけ、クラス委員長で決めるものらしいが。


 護と話をしている間に薫と葵が前の席の方からやってくる。心愛はそのまま護の前の席を。ララとランは羚を連れてどこかにいってしまったので、この四人だけ。


 「んあ? 宮永っち。何かするのかい?」


 (そうだった……)


 「おぅ。ちょっとな」

 「私は混ざらない方が良さげだねぇ」


 栞は心愛達三人を順番に見、そう言った。賢明な判断だと思われる。


 「二人連れて、私も羚君のところ行ってくるよ」

 「そうか?」

 「うん。じゃぁ……………………、また後で」


 栞はまた心愛達を見る。何か言いたげな表情を浮かべ口元がかすかに動いたが、栞からそれに続く言葉は出てこなかった。



 「あれはさすがに混ざれないなぁ………………」

 「ん? なにが?」

 「ど、どうかしたの……?」


 楓と凛を連れて教室の外へ。思わず口から漏れてしまったようだ。


 「ううん。なんでもないよ。気にしない気にしなーい」

 「はいはい」

 「う、うん……」


 あの四人が集まっているということは、自分達は入るなということだ。一番に入っていきそうなララが羚を連れてどこかに言ってしまった。もちろん、ララもそのことを理解しているのだと思う。


 (だからって羚君をもっていかないでぇ)


 羚は自分のものだ。横取りは許されない。


 「で、栞?」

 「なにかな?」

 「羚がどこにいるのか分かってるの?」

 「さぁ…………………………?」

 「はぁ…………」


 呆れた、という感じで楓がため息をつく。


 「まぁ……まぁ……わ、私もしらないし……」

 「そりゃぁ、あたしもどこにいるのか知らないけど」

 「んー……………………。普通に考えたら屋上だよね」


 屋上は定期的に解放されていて、解放されている時間になるといつも人でいっぱいになる。昼休みならもう大変だ。


 「じゃぁ、屋上行こ」

 「そ……、そうだね」


 楓と凛が先に歩きだす。


 ここまでクラスメイトとして、友達として、親友として、栞は二人を引っ張ってきたつもりだったが、今日は違う。


 「ちょっと待ってよ。おいてかないで」

 


 

 


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