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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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二学期っ! #2


 葵はいつもより早く学校に到着していた。一番乗りだ。まだ誰もきていない。


 「ふぅ……」


 鞄を置き、窓際へ。教室の換気をしなければ。教室に設置されているクーラーの電源を入れるのはまだはやい。人が集まってくる少し前でいい。それまでは必要ない。


 「あ…………」


 机の上に置いた携帯が動くのが見えた。メールだ。


 「護君?」


 「あぁ…………」


 文化祭についてのメールだった。忘れてたいたが、葵と護は委員長だ。最低限の仕事はしなければならない。


 「どうしましょうか」

 

 本番自体はまだ先だが、当然それに間に合うように準備する必要がある。


 夏休み。少し慌しかった。というか、満喫しすぎた。二学期が始まればそういう仕事をしなければならない立場にいるということを忘れていた。


 「しっかりしないと」


 護と一緒に。頑張る。もちろん、薫や心愛、他のクラスメイトにも助けを求める。


 (ふふふ)


 二人であれば自分から手伝ってくれそうだが。


 「おっす。葵」

 「おはよーっ」


 (いつも通り……、ですね)


 「はい。おはようございます」


 二人が一緒に教室に入ってくる。もう、何も思わない。キリがないから。これはこれ。そう考える。


 「葵、メール見たか?」

 「あ、はい。さきほど」

 「どうする?」

 「そうですね。部室に行く前にちょっと話しましょうか。昼休みとかでも個人的には問題ないです」

 「おっけー。そうだな……。なら、昼休みで」

 「はい」

 「ねぇ、それ、あたしも参加していい?」


 (やっぱりそうなりますよね)


 予想通り。驚きはない。チャンスがなくなってしまうが。


 「はい。三人で……………………、いや、心愛もいれてやりましょう。意見は多い方がいいですから。護君も、それでいいですよね?」

 「そうだな」


 断る理由はない。


 今のところは、だが。



 「ごめんね、葵」


 二人きりになったところで、薫が葵に一言。


 「なんのことですか?」

 「邪魔だってのは分かってるんだけどね」


 (まぁ)


 反論は見られなかった。こちらがそういうリアクションを取ることを分かっていたのだろう。だから、葵はあえて何も言わなかった。薫の意見を受け入れた。


 「別にいいです。ある程度意見聞いた方が最後決める時も楽ですし」

 「うん」


 本心かどうか、そらは分からない。護ならすぐに分かるが。いくら友達といえど、親友といえど、ライバルだといえど、出会ったのは四月。まだまだ足りない。深いものは築けていない。


 「あ」

 「どうかしたの?」

 「薫は何かありますか? 文化祭でしたいこと」

 「んー……………………。特にはないかなー。今は」

 「ですか。なら、一緒に固めていきましょう」

 「うん。そうだね」


 

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