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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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在り処 #8



 「ただいまー」


 護と沙耶と別れ、自分の家へ。母がすぐに迎えにきてくれる。


 「おかえり。言ってくれれば車だしたのに」

 「いいよいいよ」


 葵達との用事があった。その選択肢は頭に浮かばなかった。


 (まぁ)


 結果としてあの公園に繋がった。何か進展があったわけではないが、気持ちを強くすることは出来た。落ち込んでいる場合ではない。


 前に。


 前へ。


 「荷物、先に片付けておいてね」

 「はーい」



 「はー。やっと帰ってきたな」

 「そうですね。少し疲れました」

 「そうだな」


 杏を家まで送り自分達の家に戻る。佳奈の親は年に数回しか帰ってこないので、出迎えてくれる人はいない。無人。むしろ、毎日出迎えをしてきたのは咲夜の方。これだけの間家を空けたのは本当に久しぶりのことである。


 「荷物は私がやる。咲夜は部屋に戻っていいよ」

 「いえいえ。お嬢様。そういうわけには…………」


 これは自分の仕事だ。わざわざ佳奈がやることではない。


 「大丈夫だ。問題ない」

 「ですが………………」

 「咲夜だって疲れているし、たまには私が、な」

 「……………………なら」


 疲れている、というのは正しい。少々はしゃぎすぎたところはある。動く、ということは日々していることだが、旅行の間のそれとは少し違う。楽しさがあるしそこから元気がもらえるが。


 「お言葉に甘えさせてもらいます」

 「うん」


 キャリーバッグを佳奈にたくす。


 「あ、咲夜」

 「はい。どうしましたか?」

 「後で部屋に行ってもいい?」

 「分かりました。問題ないですよ」


 断わる理由はどこにもない。当然だ。


 「分かった。片付けが終わったらすぐ行く」

 「はい。待ってます」


 一例をし、咲夜は自分の部屋に向かう。


 「あぁ、掃除をしないといけませんね……………………」


 無人であったということは、もちろんその間誰も掃除をしていないということ。掃除はもう咲夜の日課になっていた。家から離れすぎた分、余計に埃などが気になってしまう。


 「今は……ダメですね。後にしましょう」


 今すぐにでもしたいが、そうしたら佳奈に怒られる。


 「ふぅ……………………。はぁぁ」


 (流石に少し疲れました)


 立場を考え、羽目を外しすぎないように自分自身にセーブをかけていたつもりだったが、あまり機能しなかったようだ。あのメンバーだ。仕方ない。


 (眠くなってきました……)


 上着を脱ぎ、身体のストレッチを。


 「ん、することがないですね……」


 普段やっていることを佳奈に取られてしまっているので、本当にすることがない。


 (どうしましょうか)

 

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