心境変化 #2
とりあえず、俺はロビーに向かう。ララの時と同じだ。集合場所としては危険ではあるが仕方ない。俺の部屋は当然無理だし、ランがここを選択した以上、俺はそれに従うだけ。こっちから言うことはない。
(明日で終わりか)
あっという間。成美とも、そんな話をしていた。三泊四日。もっと長いイメージがあったが、時間はどんどん過ぎていって、もう三日目も終わり。流れる時間は同じだが、青春部のメンバーといると、やっぱり早い。すぐだ。
「まだか」
ロビーに着いたが、ランの姿はまだ見えない。
「護君」
と思ったが、後ろからランの声が。
「つけていたのか?」
「途中からは」
〇
声をかける。目の前にいる護に。
「どうかしたか?」
「なにも」
護を見つめてしまっていた。ララが好きになった男の子を。
「座るか」
護の言葉に頷きを返す。少し奥の方へ。ここはロビーだ。気を抜いていたら見つかってしまう。三日目にもなって三人の目的は達成されたわけで見つかってしまったところで何かあるわけではないが、ここまできたなら、最後までバレないように。
「ちょっと疲れてるかな? 護君」
「あー……、結構遊んだからなぁ」
「楽しかった?」
「当然」
このメンバーだ。つまらない訳がない。護に対しての感情を抜きにしても、青春部にいたいとそう思う。だから、ランは、ララと真弓を含めた三人は、後からこうしてわざわざそこに混ざったのだ。
「そういえば、ラン達は海行ったのか?」
「行ったのは行ったけど」
「ん?」
「杏さんに見つかりそうになって」
「それは大変だったな」
初日でバレてしまうところだった。
「護君は?」
「今日行ったぞ。昼からな」
朝は雨が降ってたが、昼からはカラッと晴れていた。雨の影響はあまりなかったのだと思われる。
(何してたのかな)
気になるが、敢えて聞くことはしない。
「ビーチバレーって難しいよな、あれ」
(あ……)
「そ、そうかな……?」
護のその言葉に同意することは出来ない。
「普通のバレーもするほうではないからさ」
「うんうん」
「ランは? 出来るのか?」
「それなりには、ね。ララと二人でよくやってたよ」
ララが誘ってくるから。それに付き合っていた。どちらかというと、身体を動かすことは得意ではない。だとしても、それはララの頼みなのだから聞くしかない。
「あ……、えと……、それでね? 護君に聞きたいことがあるんだけど……………………」
本題に入ろう。