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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜五章〜悠樹√〜
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勝者の証 #3


 人混みを避けるように、悠樹は足を動かす。少ないところに。人が溢れている場所はありあまり好きではない。


 (つかれた……………………)


 周りの興味を惹きつけてしまっていた。そのせいで、試合にもあまり集中することができなかった。全勝することが出来なかった。優勝も出来ず、薫と杏に取られてしまった。人に見られるのは好きではない。もちろん、護とかは別だ。他の青春部のメンバーも別だ。慣れたら問題ないのだけれど。


 足を止め、振り返る。


 「護」


 今、護の隣にいるのは咲夜である。ペアとして護と一緒にプレイしていた咲夜のことを、悠樹は素直に羨ましいと思う。


 (……………………)


 落ち着くために深呼吸をする。出来なかったことは仕方ない。そう割り切るしかない。それに、自分はもう護の彼女なのだから、焦る必要はない。勝者だ。もう勝っているのだ。


 これから何をしよう。何をすれば、ずっと勝者でいられるのだろう。


 「…………?」


 視線を感じた。だが、振り返ってみても、人が多すぎて、誰が自分を見ていたのか分からない。


 勘違いではないだろう。見られていたのは明らかだ。


 (護……?)


 護なら分かる。分からないわけがない。ならば、この視線の主は、当然別人ということになる。それに、護はまだ咲夜と話をしている。気になる。


 「……………………ん」


 戻ろう。

 


 「さてと……」


 (そろそろ戻りましょうか)


 もう十分遊んだ。護と親睦を深めることが出来たし、ビーチバレーをすることによってストレスの発散も出来た。最初の目的を思い出さないといけない。忘れてはいけない。


 「私は戻ります」


 咲夜は、護に一声かける。

 

 荷物も置きっぱなしだ。これ以上、放置しておくのは危ないだろう。


 「あ、はい。一緒に出来て楽しかったです。咲夜さん」

 「ありがとうございます。護様」


 人を避けるようにして、咲夜は、自分達が設置したビーチパラソルのとこに戻る。


 「悠樹…………………………、様?」

 「ん…………」

 

 お見合い。悠樹とぶつかってしまう。こちらは足を止めたが、悠樹が気付いてなかった。


 「ごめんな……さい」

 「いえ。大丈夫ですよ」


 それだけを言うと、悠樹は護のもとに戻っていく。


 (ふむ)


 あれだけ動いた後だ。疲れているのだろう。咲夜だってそうだ。




 


 


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