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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第一編〜一章〜
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テスト結果

 もっとも、あの後しぃに俺と悠樹先輩が抱き合うことになった理由を説明するのは大変だった。


 しぃは何を言っても分かってくれようとせず、しぃが落ち着きを取り戻したのは十二時、そろそろ日付けが変わろうとする頃だった。


 こうして二日に渡って続いた勉強会は無事に?終わりを告げた。


 まぁ、葵の家においても悠樹先輩の家においても勉強よりもその他の事の方がインパクトが強かったが。


 俺たちの通っている学校のテスト期間には不思議な決まりというものがあるらしい。


 これは杏先輩から聞いた話なのだが、中間テストの場合一週間の中日、火曜日、水曜日、木曜日がテストの時間に当てられ、金曜日にはすべての時間を使いテストが全て手元に戻ってくる。


 月曜日はどうなるのかというとその日が元々祝日の有無に関わらず休みとなり、土曜日、日曜日、月曜日と三連休が生まれる。


 期末テストの場合は月曜日、火曜日、水曜日、木曜日がテストの時間になり金曜日に全て戻ってくる。そして中間テストの時とは異なり一週間前の金曜日が休みとなり、金曜日、土曜日、日曜日が三連休となる。


 学校の成績は授業態度より点数の方が重要視される為、学校側の配慮ということらしい。


 それでその三連休を遊び倒してしまったりすると意味が無いのだが、金曜日の放課後にはクラス別順位、学年別順位が廊下に貼り出されるので流石にそんな人はいないだろう。



 そして今日はそんな金曜日。テストが全て帰ってくる日である。


 テストが帰ってくるたびに羚の魂はじょじょに飛んでいき、昼休みには一度復活していたものの、今現在放課後は完全に羚の魂は飛んでいってしまってるように感じた。


 「まーもーる」


 まるで力がこもっていない、いつもに比べて覇気のない羚の声が俺を呼んだ。


 「どうした? そんなに点数が悪かったのか」

 「そうだけど…………。あまり触れないでくれ」


 そう言うと、羚はふらふらと教室の外に出ていった。


 俺はそんな羚を追いかけるように教室の外に出るが、俺の向かう場所は羚の向かう方向とは逆、テストの順位が貼られている廊下の方だ。


 そんな俺を薫の声が呼び止める。


 「護」

 「どした?」

 「護も順位見に行くの?」

 「そうだな」

 「なら一緒に行こっ」



 順位が貼り出されている場所の前には、もうすでにかなりの人集りで出来ていた。


 その中には心愛と葵の姿もあった。


 「心愛、葵」

 「護君」

 「あっ、護」

 「二人はもう見たのか?」

 「いえまだです」

 「人が多いので少なくなってから見ようて葵がね」

 「まぁ、この人数だからね」


 クラス四十人が三組あるのでその内の半数以上がここに集まっているのだろうか。そのくらいの人がいそうな気がする。


 「護は自信ある?」

 「まぁ、それなりに点数は取れていたと思うけど順位は分からないな。半数より上にはいると思うよ」

 「護は賢いからね。あたしにも教えてくれたし」

 「まぁ、国語だったしな。そういう心愛はどうだった?」

 「あたし? あたしなりには頑張ったつもりだし、それなりな順位だったら嬉しいかな」

 「護君。空きましたよ」


 そんな話をしている内に、人数はさっきよりも幾分減っていた。


 その貼り出された紙をみると名簿順に並べられた名前の横に点数、クラス別順位、学年順位の順で書かれていた。


 俺、クラス別順位五位、学年順位十四位位。葵はクラス別順位二位、学年順位八位。薫はクラス別順位九位、学年順位二十位。心愛はクラス別順位十位、学年順位二十二位という結果となった。チラリだけ見えた羚の順位は……俺の心の中だけにしまっておこう。


 後で青春部に足を運んだ時には、先輩達にも聞いてみても良いかもしれない。

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