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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜第三章〜悠樹√〜
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さざなみ #4

……そのままか……。

そのまま。今まで通り。本当に、本当にいいのだろうか。

……いや……。

そう思わない。

七夕パーティーを考えたときから、杏に頼るのではなく、自分から少しずつ行動しようと、行動できるようにと思ってきた。

「そのままねぇ……………………」

護がいったのはイメージ的な話だ。成美のイメージ。自分が思っているのはイメージとかそういう話ではないけれど、変わる必要がないと言われると、そこまでなのかな、と考えてしまう。

変わらなければ、と思ってきた。変わっている、と思える。

もちろん、護に出会う前の成美とそれからの成美は違う。護を好きになった。それだけのことで、ガラッと変わった。だけれど、それは護には伝わってはいないのだ。護が起点になっているのに、だ。

時間だけが過ぎていっていたのだろうか。

「そのままでいてください……。成美は……」

また護が声を出す。少し、なんだか……。

どうして? なんて質問はしない。それは無粋だ。する必要はない。気になりはするけれど。しない。やめておく。

……そのまま……。

もし、自分の意に少しだけ反してそのままでいるとするなら、この夏休み、この合宿の位置付けはどうなってしまうのだろう。

無。

そう。意味がなくなる。自分でなくすことになる。

それでいいのだろうか。護はそうしてほしいと思っているが、本当にいいのだろうか。

……納得できる……?

そこが問題。

自分の行動に納得できないと意味がない。イヤイヤ行動したところで、それは結果に結びつかない。

そういうのは嫌いだ。嫌だ。

「ほんとうに………………? 」

「はい……」

同じ感じで頷く護。

それを護が望んでいたとしても。



会話が止まった。成美から返事が返ってこない。いや、まぁ、返してほしいから言ったわけではないんだけれど。

変わる。変わらない。変わらなければならないのは俺の方だ。他の皆が変わる必要はない。それは、悠樹にも当てはまる。そのままでいい。

優柔不断。おそらく、俺の欠点なのだろう。悩んで、悩んで、悩みまくっても、答えを出せない時がある。今回がそれにあたった。

絶対に答えを出さなければならないから、答えを出した。皆のことを考えながら。

でも、俺は、そこまでのことしかしていない。その先のことをしていない。それをしないといけない。多分、そこまでやらないと、答えを出したことにはならなかったりするのかもしれない。

どれだけ同じことで悩んでるのだろうか。どれだけの期間悩んでいるのだろうか。

悠樹と付き合う。俺の答えはこれだ。それはもう現実のものになっている。

その答えは間違ってない。解答を導くまでにかなりの時間がかかってしまったが、自分が正しいと思える答えを出した。

なら、この先、何に迷うことがあるのだろうか。どうして今も悩んでいるのだろうか。



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