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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第二編〜第一章〜悠樹√〜
226/384

contagieux


「青春部………………………………」

青春部。護が入っている部。護が入ったことによって活気が増した部。部室が基盤になっているわけではないような気がするが、でも、やっぱり、始まりはここからなのだろう。

……じゃぁ……。

やっぱり基盤だ。ここが元となっている。

「んんっ…………」

真弓は伸びをする。杏がいつも座っているであろう席に座って。

今、この部室にいるのは真弓だけだ。他には誰もいない。

「皆はここで…………」

護とどれくらいの時間を過ごしたのだろう。

どこかに出かけることも多いだろうけど、やっぱりここで過ごすことも多いに違いない。

だって、ここは青春部の部室なのだ。

九人。護を含めて九人。青春部は九人。九人分の机と椅子がある。

九人だけど、今は十二人。自分を含め、ララとランが増えたから。それで、十二人。

次にここに集まる時にでも、自分で机と椅子を持ってこないといけない。それらだけがしまってある部屋がある。この部室とは距離があるけれと、持ってこないと。

……そうなると……。

この部屋も、狭くなる。それなりに広い部室だから今は感じないけれど、三人もプラスされると、感じることになるだろう。

今までの雰囲気も変わることとなる。それは、絶対に避けられないことだ。

変わってしまう。変わることとと変わらないこと。自分の気持ちは変わらないが、それ以外のことは常に変化している。移ろい続ける。止まったりはしない。

……護の気持ちは……。

今、どこにあるのだろうか。どれだけ変わっているのだろうか。

部外者として護を見てきた。護の周りにいる皆のことを見てきた。今からは、そこに自分も混ざることになる。

……迷惑はかけたくないなぁ……。

それだけは絶対。難しいことだけど、本当に無理ことだけど、護の重荷になることだけは嫌だ。

そうなってしまったら、この部に、青春部に入った意味がなくなってしまう。

護をもっと近くで見ておきたい。その気持ちが強くなったから、青春部に入ろうと思った。

その気持ちに嘘はない。もちろんそれだけではないけれど、その気持ちが根本にある。

そこだけは、絶対に守らないといけない。

「ふぅ…………」

帰ろう。誰もいない青春部。自分だけがいる部室。そこにいても、あまり意味はない。ただ、なんとなくこの場所に来たかったから来ただけ。もう満足した。

四時を回った。一時間以上この部室にいた。何人か用事があるって言ってたし、これ以上待ったとて、誰かくるとも限らない。

終業式。残っているのは部室をやっている人くらいだろう。真弓みたいに残っている人は、あまりいないだろう。

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