表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第一編〜一章〜
13/384

日常


 「ん、ふぁ〜」

 「どうしたの護? なんだか眠そうだけど」

 「まぁ、眠いといったら眠いかな……」


 昨日、いろいろあったからすぐに寝れると思ったが、全然寝付くことが出来なかった。それは薫も同じようで、眠たそうに目をこすっている。


 「薫も? 昨日二人で何かしていたのかな〜?」


 心愛がニヤニヤしながら聞いてくる。


 「いや、そういう訳ではないんだけど、やったと言えば二人でハンドボールの練習をしたくらい……」

 「なんで? わざわざ部活の後にやる必要が?」


 まぁ、当然の疑問だろう。


 「それはあたしが答えるよ。昨日、部活辞めて来て、それで最後にって意味でね」

 「え……? 辞めたの? 護から薫は強いって聞いたんだけど」

 「だって、あたしだって、護と一緒に居たいから」


 薫はほほを赤らめながらそう答える。嬉しい事を言ってくれるじゃないか。


 「心愛だって、同じでしょ?」

 「まぁ、そのために青春部に誘ったんだしね」


 校舎に入って、下駄箱に行ったさき葵と鉢合わせた。


 「あ、護君。おはようございます。それと薫と心愛も」

 「おぅ。おはよう」

 「それと、ってあたし達はおまけなの?」


 心愛、薫、葵の三人は何やら話をし始めたようで、早々と俺を置いて教室へと向かってしまった。


 「よっ! 護」

 「お、羚か。お前、最近遅刻しないようになったな」


 羚はうんうんと頷きながら。


 「まぁ、御上さんに言われたからな。あまり遅刻はしない方が良いよって」


 俺はそんなこともあったなぁと記憶を探ってみる。


 「で、青春部の件どうなったんだ?」

 「どう? とは」

 「入ることにしたのかってことだよ」

 「あぁ。その事か。それなら入ることになるんじゃないかな。薫もそう決めたみたいだし、なにせ、三人が入りたいと言うなら俺はそれに従うまで」

 「そうか。そうだったらいろいろ話とか聞かせてくれよ」


 羚の顔がニヤニヤしている。この顔は良くない事を考えている時の顔だ。まだ、知り合って短いが、なんかここ最近わかってきたような気がする。


 羚と一緒に教室に入り、机の上に鞄を置くやいなや、葵が話してきた。


 「護君。薫から聞きましたよ。青春部にはいるって話」

 「じゃ、今日の放課後にでも行く?」

 「はい。入部届けとかは、私がやっておきますので」

 「それなら、頼もうかな」

 「はいっ」


 葵との話を終えると羚がすかさず俺の所にやってきた。


 「なぁ、護」

 「な、なんだよ……」


 (何笑っている)


 「これで青春部への入部が確実になったわけだ」

 「そうだな」

 「さっきも言ったけど、話聞かせてくれよ。ほかの面子だって楽しみにしてんだ」

 「話ってなにを話せば良いんだよ……」


 (わからん)


 「なんでもいいんだよ。何をしたとか、先輩達はどうだったとか、そんなことでいいんだよ」

 「それを聞いてどうすんだよ……」

 「どうするって、聞いて楽しむだけだ」


 こちらの話に目を向けていた男子どもに目をやる。皆、何故か頷いたりしている。


 はぁ、なんでそう言った話でそんなに楽しめるのだろうか。俺には分からん。てか、そんな気持ちは分かりたくない。


 そんなことを考えながら、俺は、先生が早くきてくれることを願うのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ