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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第一編〜五章〜
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トリ・プレリュード

「その男の子………………は……? 」

栞の隣に立っている羚を見据えるように、雪菜は言った。

「彼氏とかなのかなぁ…………? 」

栞が答える前に、魅散が雪菜の言葉に続けて声を作った。

「な……、にゃ……………、な………………、ま、間違っては…………、いないけど…………」

栞は、顔をかぁっと赤らめながら、隣にいる羚を見つめながら言う。

「へぇ…………、ふぅん………………」

栞と同じように顔を赤くしている羚を、魅散はジッと見る。

「護君と似てるところがあるかもねぇ〜」

うんうんと、魅散は、頷くという動作を加えた。

「護のこと…………、知ってるんですか? 」

魅散のその言葉に、羚は、驚きを持って答える。

「知ってるよ? ずっと昔からね」

「そうなんですか。あ、聞きたいことがあるんすけど、俺が護と似てるって、どういうことですか? あいつと似てるところなんて無いと思ってるんすけど…………」

「ありゃ? 気付いてない……? 」

「え、えぇ…………」

「そっか…………。栞は、彼氏さんと護君との共通点、分かるよね? 」


「う、うん……」

突然話を振られた栞は、頷くしか出来なかった。

鈍感さ、というものを含めて、護と羚との共通点は少なからずある。

だけど、栞は護より羚を選んだ。それは、凛も楓も同じだ。

「で、栞はどこを好きになったの? 」

「どこってのは分からないです」

どこが好きなのか。唐突にそんなことを言われても、すぐには考えられない。

好きだから好き。理由なんて、それだけで十分だ。

好きな理由を装飾付けするより、ストレートに言う方が想いは伝わるし、そっちの方が栞は好きだ。

「どういうこと……? 」

「好きだから好き。ただ、それだけです」

心の中で思ったことを、魅散にぶつけた。

「なるほど………。で、名前何て言うの? 」

「あ、羚君です」

羚の手を手に取り、栞は言う。

「羚君」

「あ、はい」

「栞良い娘だから、取られないようにね……? 」




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