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せいしゅん部っ!  作者: 乾 碧
第一編〜一章〜
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羚と青春部絡みの話

「おっ! 羚!」

「護か。あれ? 今日は、成宮さんとかと一緒じゃないんだな」

「あぁ、今日はな。なんか用事があるから先に学校に行くって言われてさ」

「へぇ」


 俺は、久しぶりの一人での登校を楽しんでいた。いや、楽しんではいない。一人でいるとやはり暇だ。周りに元気なやつが揃っていると、増してそう感じる。


 「そう言えばさ、羚は部活にはいってんのか?」


昨日の青春部のこともあったから、俺は羚に部活の話題を振った。


 「部活か? いや、俺は入ってないが……。なんか良い部活でもあるのか?」

 「いや、そういうわけではないが……………………」


 しかし、昨日行った青春部の先輩方は女子しかいなかったわけだし、もしかすると薫や心愛、葵も入るかもしれないわけで、その面で考えると、こいつにとったら良い部活というものに当てはまるかもしれない。


 「あ、そう言えば……、青春部って知ってるか? 」


 羚の口から、青春部という言葉が聞こえた。俺が、言おうかどうか迷っていた言葉だ。


 「な、何だって?」

 「青春部だよ。青春部」


 ここはどう答えるべきなのだろうか?


 「まぁ、知ってるよ。昨日も行ってきたとこだし」


 こういうと案の定、羚は食いついてきた。


 「マジか! で、で、どうだった?」


 近づいてくるんじゃない。顔が近い。むさくるしい。


 「どうって言われても……」

 「男子の中では、青春部の面子は可愛い、って話があがってるんだ」


 (ほぅ)


 そんな話があったのか。俺の耳には入ってこなかったが。


 改めて、昨日会った先輩達の姿を思い出す。


 部長さんは可愛いだろう。薫、心愛に少し似てる部分もある。麻枝先輩は、生徒会長としての気品もあるし、どっからどう見ても清楚でクールだ。高坂先輩はクールといえばクールかもしれない。いや、あれは全然喋らないということだけなのかもしれない。まぁ、一般論とすれば可愛いだろう。


 まだ後二人いるとは言っていたものの、あながち、この噂は的を射ているのだろう。


 「で、どうなんだ? 」

 「まぁ、その噂は間違ってない」

 「そういうお前は部活入ってるのか?」

 「いや、入ってないよ。入るつもりはあるけど」

 「どこにだ? 」

 「青春部に」


 羚の目が光った。


 「いやいや、誤解しないでくれ。俺一人ではいるわけではない」


 「どういうことだ?」


 「葵や心愛、薫達と一緒に入る予定があるんだ。誘われたからな」


 「そうなのか」


 羚が黙る。


 「どうしたんだ?」

 「いや、何でもない。まぁ楽しんでくれ」


 羚はそう言うと俺をおいて、すたすたと歩き始めた。


 「おい、ちょっと待て! 歩くの早いぞ!」

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