069、荒野に現る闇の化身
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荒野に照りつける太陽。乾いた南風が砂粒を巻き上げ、まばらに生えた草をさらさらに揺らしていた。
時間は止まったかのように平穏だが、その平穏を突き破る光が、突如空間を切り裂いた。
時空のゆがみが出現する。
黒い闇エネルギーが渦を巻き、渦の中心から形を取り、ヘルガイトが姿を現した。
彼は誕生と同時に、自分の肉体を細かくチェックする。
手を開き、指先まで黒い霧が行き渡っていることを確かめる。
背筋を伸ばし、肩や爪の形状を自在に変化させて動作を確認する。
手のひらに力を集め、闇エネルギーの流れを確かめる。
「うむ、問題なし。動きも、感覚も、完璧だ」
その瞳に映るのは、遠くで歩く少女の姿――スライムの少女、ラジリー。
微かな笑みを浮かべ、戦闘の間合いを測る。荒野の乾いた風が肌を撫でる。
ラジリーの心臓は跳ねた。
「な、何…?まるで生きてるみたい……!」
ラジリーは素早く飛びかかる。
粘性液をヘルガイトの顔に噴射した。液体は陽光を反射し、銀色の糸のように舞う。
「これでどうかしら!」
「お?」
呼吸不要の彼には無意味だった。顔を伝う液を軽く払うヘルガイトの動作には余裕がある。
南風に煽られた液滴が砂煙と混ざり、荒野に薄い靄を作った。
黒い闇が集まり、球状のダークボムを形成する。
半径二メートルの闇がラジリーを包み込み、視界を覆い、精神に重く圧をかける。
闇のうねりに耐え、ラジリーは必死に姿を変え、粘性液を散布して対抗する。
液体が闇と反射し、裂け目のように光る。
尖らせた粘性液を再び飛ばすラジリー。ヘルガイトは黒い霧に変身し、液は砂煙に溶けて消え去った。
「くっ、届かない……!」
ヘルガイトは手を巨大な爪に変形させ、胸元に斬撃を放つ。
しかし裂けた部分は空間になるだけで、ラジリーには傷ひとつつかない。瞬時に元通りに修復される。
「……無駄ね」
「ふふ、面白いぞ」
砂埃が舞い、斬撃の軌跡を際立たせる。
ラジリーは腕を伸ばし、ヘルガイトの足元を絡める。砂が光り、風が巻き上げる。
だがヘルガイトは霧となり、絡め取られた腕をすり抜けた。
影の手が地面を這い、ラジリーの脚を狙う。ラジリーは上半身を膨らませ、裂けた空間の上に浮かぶ。
尖らせた粘液を再び放つが、ヘルガイトは霧に変身し液は砂煙に変わって消える。
前後から巨大な爪が振るわれるが、裂けた空間はすぐに復元される。
砂埃が斬撃の軌跡を描き、戦場の動きを強調する。
ラジリーは全身を伸ばし柔軟に変形、ヘルガイトの懐に飛び込む。
粘性液で絡めつつ拘束を試みるも、ヘルガイトは霧に変化し、液をすり抜け後方へ回避した。
「攻撃は空を切る……互角……決め手はまだ見えない」
ラジリーは距離を取り、息を整える。
「不毛ね。互いに決め手がないもの」
「いや、あるぞ?」
ヘルガイトは距離を詰め、ラジリーの胸に手を突っ込む。見えない核を掴む感触。
ラジリーは一瞬で動きを止めた。
「……降参……」
「ふむ、なかなかの手応えだ」
荒野に静寂が戻る。南風が砂粒とまばらな草を揺らし、戦闘の余韻が全身に残る。
互いを称え合う二人。
「お前、なかなかやるな。荒野を歩くには退屈しない相手だ」
「……あなたもね。互角だったわ」
ヘルガイトは軽く笑い、「今日は荒野の散歩」と言った。
ラジリーはその後、自分の目的――仲間を探す――を付け加える。
「今日は荒野の散歩だ」
「なら、私も一緒に。仲間を探さなくちゃ」
二人の目的が重なり、荒野地帯の主要魔物の仲間化という冒険へと自然に繋がった。
闇の化身が人の姿になった瞬間のお話です。入ってすぐに戦闘なのが彼らしいですね。
スライムのラジリーは今後ヘルガイトのパートナーとして長く苦楽を共にします。




