021、それぞれの役割
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朝は、もう慣れた音で始まった。
潮騒。
風。
そして、屋根を打つ葉の擦れる音。
それだけで、昨日と違うと分かる。
ここはもう“ただの浜”ではない。
神楽一番は外に出ると、すでに敬三が海を見ていた。
「起きるの早ぇな」
「海は待たねえ」
短いやり取り。
だが、その背中の向きで役割は決まっている。
火の周りに自然と人が集まる。
誰も「集まれ」と言っていない。
だが円ができる。
敬三が口を開く。
「毎日、全員で全部やるのは無理だ」
当たり前のこと。
だが、誰も言葉にしていなかったこと。
神楽が頷く。
「分けるか」
それが始まりだった。
「海は俺たちだな」
花子、恭一、丑三、萬月、君島、一重、明美。
自然と視線が合う。
異論はない。
「陸は任せろ」
神楽一番が言う。
博多希子、諫早希、桂弘信、石川拓斗。
木を見る目が違う人間たち。
「俺は両方行く」
桂が言う。
戦える手が必要な場面は多い。
敬三が頷く。
「無理はしない。倒れたら終わりだ」
命令じゃない。確認だ。
そのとき、萬月が言う。
「見張りはどうする」
空気が締まる。
海も、陸も、まだ“知らない”。
神楽が言う。
「作業しない時間に交代で立つ。高い位置に」
丘の上を見る。
「目が増えるだけで、生き残る確率は上がる」
全員が頷く。
これは話し合いじゃない。
生き延びるための最適化。
最後に敬三が言う。
「食い物は共有だ」
誰も反対しない。
今はまだ、“自分の分”を考える段階じゃない。
円が崩れる。
だが、昨日と違う。
動きに迷いがない。
それぞれが、それぞれの場所へ向かう。
海へ。
木へ。
丘へ。
共同体は、宣言なしに形を持った。
役割が生まれた。
人はまだ弱い。
だが、バラバラではなくなった。
それがこの日、生まれた最大の力だった。
本格的に人々の生活になってきましたね。大事な役割分担。
さて、ここらでちょっと一区切り。次はどうなるかな?




