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ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第3章~若き天才たちと支える者~

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205/206

205、交差

AI作成、セリフ筆者

山小屋の中は、外の雪景色が嘘のように温かかった。

囲炉裏の火が静かに爆ぜ、木の匂いとわずかな煤の香りが漂っている。


サンがぽつりと呟く。


「温かい」


それは室温の話でもあり、この空間そのものの話でもあった。


吹雪は囲炉裏の向こう側で湯呑みを置く。


「……さて」


その一言で、空気の質が変わる。


スキアは何も言わず、ただ吹雪をじっと見る。

観察でも、敵意でもない。

確かめる目だ。


吹雪はわずかに視線を逸らし、火を見つめる。


「何を話そう……」


迷いではない。

選別だ。


スキアが静かに口を開く。


「修復……」


その単語に、吹雪の瞳がわずかに揺れた。


「そうだね。修復」


火がぱちりと鳴る。


吹雪は淡々と続ける。


「裂け目は縫う」


一拍。


「ゆがみは“あいだ”」


もう一拍。


「裂け目は“交わり”」


サンが思わず顔を上げる。


「どういうことだ?」


スキアが横目で制する。


「サン」


視線だけで十分だった。


「はい」


サンは口を閉じる。

理解できなくても、今は踏み込まない。


吹雪はスキアから目を離さないまま言う。


「彼女は“偽り”」


「彼女は“観る”」


「彼女は“真実”」


火の揺らぎが瞳に映る。


「彼は“従属”」


「彼女は“未来”」


そして。


「分かる?」


問いではない。

刃だ。


スキアは一瞬だけ目を細める。


「ああ」


即答。


吹雪の口元がわずかに上がる。


「そう……」


静かな肯定。


そして、核心。


「あなたは、だれを“見る”?」


空気が止まる。


囲炉裏の火の音すら遠い。


スキアは息を吸う。


「私は、真実を見る」


吹雪の眉がわずかに動く。


「ふーん……」


試すような響き。


だがスキアは続ける。


「同時に、未来を見る」


間。


吹雪の瞳が、ほんのわずかに深くなる。


「……へえ」


それは評価ではない。

確認だ。


吹雪は立ち上がる。


畳が静かに鳴る。


部屋の奥へ歩き、壁に掛けられていた刀を手に取る。

飾りではない。

使われてきた刃だ。


それを腰に差し、戻ってくる。


「おいで」


命令でも挑発でもない。


スキアも立ち上がる。


「ああ」


二人は向かい合う。


吹雪はスキアを“見る”。


過去を受け入れ、諦めていた者の目で。


スキアは吹雪を“見返す”。


気づき、選び、凪いだ者の目で。


視線がぶつかる。


刃は抜かれない。

だが、そこには明確な交差があった。


サンは一歩後ろで、静かに二人を“見守る”。


この瞬間に、

何かが決まったことだけは理解していた。


やがて吹雪が背を向ける。


「行くよ」


三人は小屋を出る。


雪は止んでいた。


足音だけが、静かな山に響く。


そして三人は、山を下りた。

吹雪はコイン。スキアはコイントス。サンは行く末。

特異点は……?

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