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ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第3章~若き天才たちと支える者~

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189/206

189、地域限定修復師の構想

AI作成

スキアはウルスタイから授かった獣牙のネックレスを胸元にかけた。微かな光が放たれ、空気がわずかに震える。


「……来たな」


世界樹の麓に立つ二人の人物――五代目修復師 ナハト様 と四代目縫界衛士 アリア様 が、放たれた魔力に反応し、静かにスキアの方を向いた。


「ようこそ、悪魔の方々」

ナハト様の声は深く落ち着いている。

アリア様は軽く頷き、厳かに視線を向けた。


スキア以外の三人は一歩下がり静かに立つ。レイン、ニーチェ、サン――誰も口を挟まず、スキアが二人の話に耳を傾けるのを見守る。


ナハト様はゆっくりと口を開いた。

「わしら修復師と縫界衛士は、世界中の裂け目の存在を監視しつつ、その修復を行う。裂け目は場所により性質が異なる。都市の下水道に生じるもの、山間の魔力の濃い森に生じるもの、海中深くに潜むもの――形も性質も全く違う」


アリア様が静かに付け加える。

「裂け目は放置すればマナの奔流が暴走し、周囲の生命や魔力に影響を与える。人や魔物の意識が乱れたり、植物の生育が異常になったり、時には小さな時空の歪みが生まれ、生命体が飲み込まれることもある」


ナハト様は視線をスキアに向けた。

「修復は決して容易ではない。裂け目に近づくには、まずマナの流れを分析し、周囲の魔力や生命体との干渉を把握せねばならん。縫界衛士は安全確保、修復師は裂け目を縫い合わせる――一瞬の判断ミスが命取りになる」


スキアは静かに頷き、質問する。

「各地の修復師はどのように負担を分散しているのですか?」


アリア様は手をひらひらと動かしながら説明した。

「まず地域ごとに『見張りの修復師』を配置する。彼らは裂け目を直接修復するわけではなく、異常を察知することが任務」


ナハト様が補足する。

「わしら縫界衛士も単独で修復には向かわん。必ず修復師とセットで行動する。縫界衛士は裂け目の形状やマナの乱れを縫い、必要があれば修復師がそこへ魔力を流して封印する」


スキアは深く息をつき、思案する。

「なるほど……負担を分散させ、地域限定の修復師を育成すれば、より多くの裂け目に対応できますね」


ナハト様の目が輝く。

「それをしてくれるのか……それは非常に助かることじゃ」


アリア様も頷く。

「われわれにとっては大きな希望になる。もし可能なら、各地で修復師を教育し、縫界衛士も訓練してくれるだけで、現場の負担は格段に減る」


スキアは静かに微笑む。

「話を聞かせていただき、感謝します。確かな手ごたえを感じました」


ナハト様は静かに頷いた。

「世界樹の麓で、こうして未来を語る者が現れるとは……」


アリア様も微かに微笑み、スキアたちを見送った。

「あなたたちの行動が、きっと世界に少しずつ良い影響を与えるでしょう」


スキアは胸に手を置き、仲間とともにウルスタイの小屋へ戻る。

その背には、世界の重みと責任、そして未来を変える手応えが確かにあった。

スキアが帝王学で学んだのは、これを為すためでした。

それをするには、直接修復師たちに会う必要がありました。

スキアの構想はまだただの構想ですが、これが今後世界に不可逆の大きな変化をもたらします。

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