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ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第1章~そこで暮らす者たち~

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18/206

018、潮騒と朝日、越えた一日

AI制作

夜明けは、音で来た。


最初は波の音が少し変わっただけだった。

低く、重かった響きが、柔らかくほどけていく。


次に、空の色が変わる。


闇は黒から藍へ、藍から灰へ。

世界の輪郭がゆっくり戻ってくる。


敬三は、ずっと起きていた。


火は小さくなっている。

だが消えてはいない。


灰の中に赤が残っているのを確認し、

小枝を足す。


炎が、また生まれる。


それを見て、敬三は初めて息を吐いた。


「……越えたな」


小さな声。


その言葉で、萬月が目を開ける。

神楽一番も起き上がる。


花子が寝返りを打ち、目を細める。


「朝……?」


誰かが言う。


その一言で、全員が空を見る。


雲の端が金色に染まり、

海の水平線から、光が溢れ出す。


太陽。


昨日と同じはずなのに、まるで違って見える。


生きて、見る太陽。


丑三が、ぽつりと笑う。


「腹減ったな……」


小さな笑いが、火の周りを回る。


恐怖が消えたわけじゃない。

不安も、状況も、何も解決していない。


それでも。


十二人は夜を越えた。


それは事実だった。


君島一重が立ち上がり、海を見る。


「……昨日より、近く感じるな」


誰も意味を聞かない。

でも全員わかっていた。


世界は変わっていない。


変わったのは、自分たちのほうだ。


敬三は立ち上がる。


体は重い。

だが足は前に出る。


「今日も動くぞ」


昨日と同じ言葉。

でも重さが違う。


それは命令ではない。


“生き延びた者の言葉”だった。


波が光を跳ね返し、浜を照らす。


火の跡、足跡、集めた流木。


そこに、証拠があった。


ここで、人は一晩、生きた。


文明二日目の朝が、始まる。


流れ着いた世界での順応。まだ一日目ではあるが、たしかにこの地で一夜を明かした。

次なるステップへ向けて動き出す。

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