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ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第2章~旅人チェルシー~

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162/206

162、その日、世界は反転する

AI作成、セリフ筆者

日がわずかに傾き、街の影が長く伸び始めたころだった。


――ぞわり。


空気が歪む。


マナが、悲鳴のように軋む。


チェルシーは顔を上げた。


(強い……)


それは砂漠で感じたものより、はるかに鋭く、刺々しい乱れだった。


次の瞬間、街中に声が響く。


『住宅街南で裂け目の予兆あり! 周辺住民は直ちに避難してください! 自警団の皆さんは住民の避難誘導に当たってください。繰り返します――』


ヒサメの声だ。

落ち着いているが、明確な緊急性を帯びている。


「皆さん! 商店街の方へ向かってください! そちらは安全です!」


別の声が続く。若く、よく通る声。


人波が一斉に動く。


だがチェルシーは、その流れに逆らった。


「そこのお人! そちらは危険ですので商店街へ!」


振り返ると、赤髪の団員――エンジが必死に手を振っている。


「何もしないわけにもいかないだろ」


「あ、ちょっと!」


制止を振り切り、チェルシーは駆ける。


住宅街南。


そこには、見覚えのある二人が立っていた。


月詠とヒサメ。


空間はまだ裂けていない。

だが、今にも破れそうに膨張し、ぐにゃりと歪んでいる。


「あなたは、先ほどの旅人さん!? どうしてここに!?」


「……来たわね」


ヒサメは驚きよりも、確認するような目を向ける。


「ヒサメ殿はこの方が来ることをご存じだったので?」


「まあね。それで、あなたはどうする?」


「決まってるだろ。裂け目を“修復”する」


その言葉に、ヒサメの瞳がわずかに見開かれる。


月詠も気付いた。


今の言葉は、軽口ではない。


「ヒサメ殿。試してみる価値はあると推察します。この者、ただならぬマナの繰り方をしております」


一瞬の沈黙。


「……いいでしょう。やってみなさい」


「言われなくてもそうするよ!」


チェルシーは、人形を構えない。


右手をだらりと下げる、あの構え。


月詠が刀を抜き、横に立つ。


「よもや私が縫界衛士の真似事とはな! ヒサメ殿。此度私が活躍した際には、きっちり休んでいただきますよ!」


聞き慣れぬ単語に一瞬思考が引かれる。


(縫界……?)


だが次の瞬間。


空間が、裂けた。


ぐにゃり、と。


黒い裂け目が、現実を押し広げる。


チェルシーは手をかざす。


(大精霊は、包み込むように編んでいた。なら、それを応用すれば――)


マナを糸として捉える。


一本。


また一本。


縫う。


裂け目は暴れる。

内部から吹き荒れる異質な力。


ヒサメが近づく。


「そのやり方ではダメ。私がマナの流れを作るから、そのように縫い合わせなさい」


「はい!」


ヒサメの足元から、静かな波が広がる。


整えられた流れ。


導線。


裂け目が吐き出す。


巨大な岩塊。


それは一直線にヒサメへ。


「チェストォォ!」


月詠の刀が閃く。


岩は両断され、砂となって崩れた。


「助かる!」


「礼は後だ!」


マナの流れが整う。


チェルシーは縫う。


慎重に。


正確に。


一本、また一本。


暴れ狂う空間が、次第に静まっていく。


数分。


だが、体感では永遠にも思える時間。


そして――


裂け目は閉じた。


歪みは縮み。


やがて、何事もなかったかのように空間は戻る。


静寂。


そこに残るのは、三人の荒い呼吸だけ。


裂け目は。


――チェルシーとヒサメの手によって修復された。


一瞬、何が起きたか二度見しました。あれ、これ私が書いてるんだよな? なんだこの動き方は?

チェルシーは間違いなく特異点となりました。それを助けたのは、ヒサメと月詠。

物語は怒涛の展開を迎える!

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