表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラスティア群像劇~第1章~  作者: niseimo38
第2章~旅人チェルシー~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

157/206

157、修復師の存在を知る

AI作成

砂像の前まで歩みを進めたチェルシーは、ふと足元に不自然な揺らぎを感じた。

砂の結晶が微かに波打ち、空間そのものが歪んでいる――不安定な「ゆがみ」だ。


直感が警告する。

チェルシーは咄嗟に背負い人形を構え、その場に身を低くして対峙する。砂像の光が揺れ、人形の関節が静かに鳴った。


そのとき、遠くから明るくも張りのある声が響いた。


「そこの人ー! 危ないから離れていなさーい!」


チェルシーは声のした方を一瞥する。砂の揺れは徐々に激しくなり、ゆがみは不安定さを増していく。どう動くか、短い間に頭を巡らせる。

もしここで何かを間違えれば、ゆがみは裂け目となり、マナの砂漠全体に危険を及ぼす――そんな感覚が、体中に走った。


やがて、声の主が砂塵を巻き上げながら駆けてくるころ、ゆがみは裂け目となり、周囲のマナが急速に乱れた。砂の粒子が渦を巻き、空間が歪み、耳鳴りのような音が辺りに響く。


「水の大精霊よ。我が呼びかけに応えて姿を現せ。出でよ! ディーナ!」


声に応えるかのように、空気の中から青い光の奔流が立ち上がった。大精霊ディーナだ。光を帯びた水の精霊が裂け目を包み込み、瞬く間にマナを整えていく。


チェルシーはただ立ち尽くす。人形を構えたまま、目の前で起こる異次元の光景を息を呑んで見つめた。数分のうちに裂け目は修復され、ゆがみへと戻った。


胸に衝撃が走る。自然に閉じると思われていた裂け目が、「誰か」の意図によって修復されていた――その事実を、目の前で知ったのだ。


チェルシーの口は、驚きのあまりしばし空いたままだった。砂漠の静寂とマナの濃密さ、そして精霊と人間の力――そのすべてが、この瞬間に彼女の中でひとつに結びついた。


このシーンではこの世界の核心の一つ、時空のゆがみと裂け目の仕組みをチェルシーが目の当たりにします。自然現象ではなく、意図した修復。では、いったい誰が? そんな疑問がチェルシーに浮かびます。

その答えにたどり着くのは、もう少し先の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ