156、行軍途中の砂嵐
AI作成
砂像から示された座標を心に留め、チェルシーは再び砂漠を歩き始めた。太陽は高く、白い結晶の砂がまばゆく反射する。足元の砂は硬くも柔らかくもあり、歩くたびに微かに音を立てた。
「あいかわらず、この砂は不思議ね…」
手で軽く砂を掬う。指先で感じる冷たさと光沢は、ただの砂漠のそれとは違った。マナが濃縮され、結晶化した世界――歩くだけで感覚が刺激される。
ふと、砂の揺らぎが視界の端に映った。気配だけの存在――未精霊だ。形はなく、淡い光のような存在がそよぐように動く。チェルシーは立ち止まり、静かに息をひそめる。
「あなたは…未精霊?」
問いかけると、未精霊はちらりと気配を揺らし、まるで反応するかのように光が瞬いた。チェルシーは目で追いながら、距離を保って歩みを進める。
しかし、砂漠は容赦ない。突如、足元の砂が微かに震え、熱風が巻き上がった。高密度のマナ結晶が反応したのだ。砂の嵐――自然の現象でありながら、マナが濃いがゆえに普通の砂漠以上に厳しい。
チェルシーは肩掛け鞄を押さえ、砂を避けながら進む。未精霊の気配がそばで揺れる。彼らは意図しているわけではないが、砂の嵐を少しだけ緩和するように、空間の揺らぎを生じさせているのかもしれない。
しばらく進むと、遠くに砂の隆起が見えた。再び砂像だ。今回のものは、前の砂像よりも大きく、精緻な模様がマナの結晶で編まれている。チェルシーの胸は高鳴る。
「次は…どんな形をしているのかしら」
未精霊の淡い光が、まるで同行するかのように砂嵐の中を揺れながら、チェルシーを導いた。砂漠の厳しさと未知の生き物の気配。そのすべてが、彼女の冒険心をさらに刺激する。
精霊と砂漠の混合地帯。これほどまでに強力で過酷な環境はないですね。
精霊にとっては楽園でも、それ以外の者にはとても厳しい世界です。




