154、未精霊と精霊
AI作成
チェルシーは歩を進めるたび、足元の砂に目を奪われた。
白く輝く粒子――ただの砂ではない。手で掬うと、ひんやりとした結晶の感触が指先に伝わる。マナが結晶化した砂。これほど高密度のマナが広がる土地を、彼女は見たことがなかった。
「…面白い」
辺りを観察していると、視界の隅にごくわずかな気配が揺れた。形はなく、空気の揺らぎのようにしか感じられない。チェルシーは眉をひそめる。
「何かいる…?」
その気配に呼応するように、近くに光の粒子が集まり、淡い姿を形作った。精霊だ。小さな光の球体が、チェルシーの好奇心を察したかのように静かに言葉を紡ぐ。
「君が感じたのは未精霊という存在。実体はなく、気配だけがある。普通の人なら、このマナの濃さでくらくらするはずだが…」
チェルシーは小さく頷いた。観察眼が刺激され、未知への好奇心がさらに膨らむ。
未精霊の気配を意識するだけで、砂漠は単なる過酷な土地ではなく、命を宿した世界に変わった。
だが、砂漠の現実は甘くない。昼間の熱は皮膚を突き刺すようで、夜は氷のように冷え込む。空気は乾き、水筒の中の水はどんどん減っていった。肩掛け鞄の重さが、次第に現実の負担としてのしかかる。
喉の渇きに頭を抱えながら歩き続けると、遠くに緑の影が見えた。オアシスだ。小さな水面を前に、チェルシーは膝をついて息を整えた。水を飲み、残りを水筒に汲み入れる。
砂漠に戻る足取りは、少し軽くなった。未知の発見に胸を躍らせながら、チェルシーは歩き続ける――
未精霊の気配、精霊の説明、そして砂漠の厳しさ。それらすべてが、この土地の秘密を知らせる前触れにすぎないことを、まだ彼女は知らなかった。
マナの砂漠はその特異性から精霊が住まう場所へとなっています。
チェルシーにとっては未知との遭遇ばかり。好奇心が刺激されますね。




